私を言葉で抱く年下作家の溺愛
思わず、呟く。

いつものシリアルじゃない。ちゃんとした“朝食”。

「俺が本気出せば、こんなもんだよ」

さらっと言う。少しだけ誇らしげに。

「でも」

私は、テーブルに手をつきながら聞いた。

「どうして急に?」

その瞬間——腕を引かれる。

ぐっと、引き寄せられる。

片腕で、自然に抱き込まれる。

「……蓮?」

見上げると、彼は、まっすぐに私を見ていた。

「これからも」

低く、静かに言う。逃げ場のない声。

「あんたが、この家にいられるようにするから」

——ドクン。心臓が、大きく鳴る。

その言葉の意味を。

理解するのに、時間はかからなかった。

生活。日常。ここに、私を組み込むつもりなんだ。
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