私を言葉で抱く年下作家の溺愛
すると彼は、ウィスキーを一口飲んだ。

そして、淡々と答える。

「取材受けるとさ」

グラスを軽く揺らす。

「地味に報酬いいんだよ」

その言い方は、軽い。でも、どこか現実的で。

「まあ、稼ぎの一つだな」

——その一言。胸の奥に、引っかかる。

私は、視線を落とした。テーブルの木目を、ただ見つめる。

「……そう」

短く、返す。すると彼は、少しだけ間を置いてから言った。

「今まで、梨沙に頼ってた部分もあるから」

顔を上げる。彼は、こちらを見ていた。

まっすぐに、私を見つめていた。

「その分、今は稼ぎたいんだ」

——その言葉。理解はできる。むしろ、正しい。

でも。それと同時に——蓮がどこか、遠くに行ってしまう気がした。
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