スターライトパレード

第8話 shooting star

あれから、セナ君はもちろん、他のメンバーに会うこともなかった。
八神さんから楽曲買取のやり取りが届いた以外は、特に大きな動きもないまま。

初めての曲を渡してすぐに夏休みに入り、私はすっかり元通りの、静かな日常を過ごしていた。

変わったことがあるとすれば……以前はあまり観なかったテレビで、今はスターライトパレードのバラエティーやドラマを追うようになったこと。
メンバーの元気な姿をリアルタイムで観られるのが、こんなに嬉しいなんて知らなかった。
歌っている時とも、ライブの合間に見せる顔とも違う、素の表情みたいなものまで見えるたび、なんだか少しだけ得した気持ちになる。

千葉のライブのあと、彼らは福岡、大阪と公演をこなし、いよいよ来週末は東京ドーム。

「……夢だったのかな」

ぽつりとこぼした声は、思ったより小さかった。
あれ以来、ピアノで弾くのはスターライトパレードの曲ばかりになっていた。
自分で書いたあの曲も、彼らの既存曲も。
気づけば指が勝手に、あの人たちの音ばかり探している。

……ピンポーン。

「書留です」

玄関先で受け取って、差出人を見た瞬間、心臓が跳ねる。
封筒には『スターライトパレード』の名前。
中には……東京ドームの最前列のチケットが、一枚。

「しかもこの日って……」

東京ドーム初日。八月三十日……
< 25 / 28 >

この作品をシェア

pagetop