スターライトパレード
「……オレらの代表曲なんだ」
「……うん」
「ずっと大切にする」
「……うん」
「奏に、一番近くで聴いてほしい」
真剣な眼差しが眩しくて、いろんな気持ちを誤魔化したくて、少し俯く。
うれしいとか、恥ずかしいとか、泣きそうとか、全部が一気に押し寄せてきて、顔を上げられない。
「……セナ君。私、今日、誕生日なんだ」
「え!?マジ?……お前な~、そういうのはもっと早く言えって!なんも用意できねーじゃん」
慌てた様子が可笑しくて、ついクスッと笑ってしまう。
でも、その言葉だけで充分だった。
何かを用意してくれようとした、その気持ちが、たまらなく嬉しかった。
「今日のライブだけで、もう十分すぎるくらいだよ」
「じゃ……来年な」
来年。
その響きに胸がきゅっとなる。
来年も会えるの……?
そんな期待をしてしまう自分に、自分でびっくりする。
「……ピアスとか、ど?」
「ピアス!?」
思わず大きな声が出て、慌てて髪を耳にかける。
「私、ピアスの穴……開けてなくて!」
その瞬間、セナ君の顔がぐっと近づいた。
伸ばされた手が私の耳に触れて、思わず息が止まりそうになる。
指先がやさしく触れただけなのに、そこだけ体温が上がったみたいに熱い。
……っ……!
「ん、ホントだ。……じゃ、ホールも、オレが開けてやんよ」
そっと耳から手が離れた瞬間、チリッ……と火花が散ったような感覚が走る。
そのまま、今度は私の手をやさしく握られると、さっき耳に触れた熱が、そのまま指先に移ってきたみたいだった。
セナ君に手を引かれ、ステージ袖へ向かう。
眩しすぎるステージの光の中。
光が強すぎて、逆光の向こうに立つ彼らが、まるで神さまみたいに輝いて見えた。
歓声はずっと鳴り止まないのに、この狭い袖だけ時間の流れが違うみたいだった。
出番の合図がかかったとき、握った手をそっと引かれて、セナ君の唇が手の甲に触れた。
何も言わずステージへと向かっていく背中を、私はただ茫然と見送った。
心臓がうるさすぎて、今自分が立っているのか座っているのかもよくわからない。
触れられた耳と手が……ジンジンしている気がする……
「アンコールありがとう…………!!」
「次が最後の曲です!来月発売の新曲、みんなに一番に聴いてほしくて」
「この曲は、ファンから届いたラブレターみたいなもんです」
「俺たちは、空にいる星なんかじゃない」
「でも、見上げてくれる人がいるから、輝きたいって思えるんだ」
「みんながいる限り、何度でもステージに戻ってくる」
「……新曲『shooting stars』」
ステージが一瞬、闇に包まれる。
そして、ピアノのイントロが静かに鳴り始めた。
その一音だけで、涙が溢れた。
音に込めた想いが多すぎて、もう止まらない。
あの時生まれたメロディが、今こんなにも大きくなって、こんなにもたくさんの人の心を揺らしている。
私一人の部屋で、小さく口ずさんでいた音だったのに。
それが今は、何万人もの前で鳴っている。
歌になって、光になって、歓声に包まれている。
ああ、曲って……こうして届くんだ。
今夜の景色は、一生忘れない。
きっと私がまた曲を作るたびに、思い出す。
この空を。
あのステージを。
彼らの笑顔を。
ステージ裾から見える七色に光る世界を。
この世界に、こんなにもきれいな景色があったなんて知らなかった。
何度でも思い出して、胸を熱くさせてくれるこの瞬間を……私は一生、忘れない。
「……うん」
「ずっと大切にする」
「……うん」
「奏に、一番近くで聴いてほしい」
真剣な眼差しが眩しくて、いろんな気持ちを誤魔化したくて、少し俯く。
うれしいとか、恥ずかしいとか、泣きそうとか、全部が一気に押し寄せてきて、顔を上げられない。
「……セナ君。私、今日、誕生日なんだ」
「え!?マジ?……お前な~、そういうのはもっと早く言えって!なんも用意できねーじゃん」
慌てた様子が可笑しくて、ついクスッと笑ってしまう。
でも、その言葉だけで充分だった。
何かを用意してくれようとした、その気持ちが、たまらなく嬉しかった。
「今日のライブだけで、もう十分すぎるくらいだよ」
「じゃ……来年な」
来年。
その響きに胸がきゅっとなる。
来年も会えるの……?
そんな期待をしてしまう自分に、自分でびっくりする。
「……ピアスとか、ど?」
「ピアス!?」
思わず大きな声が出て、慌てて髪を耳にかける。
「私、ピアスの穴……開けてなくて!」
その瞬間、セナ君の顔がぐっと近づいた。
伸ばされた手が私の耳に触れて、思わず息が止まりそうになる。
指先がやさしく触れただけなのに、そこだけ体温が上がったみたいに熱い。
……っ……!
「ん、ホントだ。……じゃ、ホールも、オレが開けてやんよ」
そっと耳から手が離れた瞬間、チリッ……と火花が散ったような感覚が走る。
そのまま、今度は私の手をやさしく握られると、さっき耳に触れた熱が、そのまま指先に移ってきたみたいだった。
セナ君に手を引かれ、ステージ袖へ向かう。
眩しすぎるステージの光の中。
光が強すぎて、逆光の向こうに立つ彼らが、まるで神さまみたいに輝いて見えた。
歓声はずっと鳴り止まないのに、この狭い袖だけ時間の流れが違うみたいだった。
出番の合図がかかったとき、握った手をそっと引かれて、セナ君の唇が手の甲に触れた。
何も言わずステージへと向かっていく背中を、私はただ茫然と見送った。
心臓がうるさすぎて、今自分が立っているのか座っているのかもよくわからない。
触れられた耳と手が……ジンジンしている気がする……
「アンコールありがとう…………!!」
「次が最後の曲です!来月発売の新曲、みんなに一番に聴いてほしくて」
「この曲は、ファンから届いたラブレターみたいなもんです」
「俺たちは、空にいる星なんかじゃない」
「でも、見上げてくれる人がいるから、輝きたいって思えるんだ」
「みんながいる限り、何度でもステージに戻ってくる」
「……新曲『shooting stars』」
ステージが一瞬、闇に包まれる。
そして、ピアノのイントロが静かに鳴り始めた。
その一音だけで、涙が溢れた。
音に込めた想いが多すぎて、もう止まらない。
あの時生まれたメロディが、今こんなにも大きくなって、こんなにもたくさんの人の心を揺らしている。
私一人の部屋で、小さく口ずさんでいた音だったのに。
それが今は、何万人もの前で鳴っている。
歌になって、光になって、歓声に包まれている。
ああ、曲って……こうして届くんだ。
今夜の景色は、一生忘れない。
きっと私がまた曲を作るたびに、思い出す。
この空を。
あのステージを。
彼らの笑顔を。
ステージ裾から見える七色に光る世界を。
この世界に、こんなにもきれいな景色があったなんて知らなかった。
何度でも思い出して、胸を熱くさせてくれるこの瞬間を……私は一生、忘れない。