花咲く森のから騒ぎ
『ねぇ、ジョシュア、何とか言ってちょうだいよ!』
すると、私の隣で、ジョシュアは、まるで貴族のように優美にアンに挨拶をしながら微笑んだ。
「申し訳ございません。アン様、ご挨拶が遅れてしまいましたね。お会い出来て光栄でございます。わたしはバルモア家のジョシュアと申します。村に滞在されている間、王子のお世話をさせていただいております」
ポーカーフェイスで人を欺くことに手慣れているようだわ。
「チェルシーの義理の兄でございます。生憎、妹のチェルシーは風邪をひいて寝込んでおります」
好奇心旺盛なアン王女がジョシュアを見詰め続けている。
「お兄様の愛人は可憐な美人だと聞いていたけれども兄上も美形なのですね。あなたのような麗しい容姿の若者を見るのは実に気持ちがいいわ」
「そのようにお褒めいただいて恐縮でございます」
ジョシュアは丁重にお辞儀をしているけれど、内心は、こう思っているに違いない。
『俺の顔なんかどうでもいいから、とっとと帰ってくれ!』
もちろん、お姫様に何の恨みもないけれども、今は邪魔でしかない。
ジョシュアは、アン王子女に対して諭すようにゆっくりと告げている。
「アン王女様。恐れながら申し上げます。生憎、昨日、鳥篭から逃げてしまいました。申し訳ありませんが、すみやかに、従者を連れて王都にお戻りいただけませんか?」
「あなたって嘘つきね。そこにいるじゃないの?」
「えっ?」
ジョシュアの背後を指差している。ジョシュアがハッとしたように振り向くとアンが立ち上がった。
「ほら、あの子がこちらに来るわ」
「アン様、恐れ入りますが、どこにいるのでしょうか?」
きっと、ジョシュアも分からなかったのだろう。すると、アンが、得意げにクイッと顎を上げながら窓の外を指で示した。
「お庭の樹のピンク色の花の蜜を吸っていますわよ。ほら、あそこですわ! あっ、鳥と目が合いましたわ。こちらに来ますわよ!」
すると、本当に二階のベランダの手すりに向かって飛んできた。自主的に屋敷に戻ってきたのね。
「では、窓を開けさせていただきますね」
ジョシュアが窓を開くと静かに部屋の中へと入ってきた。
「おおっ、おまえは実に賢いな。ダビデよ。余の元に戻るが良いぞ」
私が、鳥篭を取り出すとスッと入ってくれた。私は鳥篭の出入り口を閉じるとアンに手渡した。私は鳥に用などないのよ。
「アン、王都に戻りなさい。今は何かと忙しいのだよ」
「デートの邪魔をするなと言うことですか?」
悪戯っ子のようにクシャッと笑っている。
「アンは知っているのですよ。ウイリアムお兄様は恋人とイチャイチャするつもりなのでしょう? だから、アンが邪魔なのですね?」
「えっ?」
私は戸惑った。女の子は男に比べるとオマセなところがある。アンは、茶目っけのある表情を浮かべながら言う。
「エリザベスから逃げたくなるお気持ちはよく分かりますわ。アンは、エリザベスなど大嫌いでございます。アンの本当の父親は王ではないと言ったこともあります。本当の父親は、鳥人間になって気がふれて死んだという噂をふれまわっておりますのよ。アンは、あんな性悪な女、大嫌いでございます」
王子の妻のエリザベスとアンは敵対しているようである、
すると、私の隣で、ジョシュアは、まるで貴族のように優美にアンに挨拶をしながら微笑んだ。
「申し訳ございません。アン様、ご挨拶が遅れてしまいましたね。お会い出来て光栄でございます。わたしはバルモア家のジョシュアと申します。村に滞在されている間、王子のお世話をさせていただいております」
ポーカーフェイスで人を欺くことに手慣れているようだわ。
「チェルシーの義理の兄でございます。生憎、妹のチェルシーは風邪をひいて寝込んでおります」
好奇心旺盛なアン王女がジョシュアを見詰め続けている。
「お兄様の愛人は可憐な美人だと聞いていたけれども兄上も美形なのですね。あなたのような麗しい容姿の若者を見るのは実に気持ちがいいわ」
「そのようにお褒めいただいて恐縮でございます」
ジョシュアは丁重にお辞儀をしているけれど、内心は、こう思っているに違いない。
『俺の顔なんかどうでもいいから、とっとと帰ってくれ!』
もちろん、お姫様に何の恨みもないけれども、今は邪魔でしかない。
ジョシュアは、アン王子女に対して諭すようにゆっくりと告げている。
「アン王女様。恐れながら申し上げます。生憎、昨日、鳥篭から逃げてしまいました。申し訳ありませんが、すみやかに、従者を連れて王都にお戻りいただけませんか?」
「あなたって嘘つきね。そこにいるじゃないの?」
「えっ?」
ジョシュアの背後を指差している。ジョシュアがハッとしたように振り向くとアンが立ち上がった。
「ほら、あの子がこちらに来るわ」
「アン様、恐れ入りますが、どこにいるのでしょうか?」
きっと、ジョシュアも分からなかったのだろう。すると、アンが、得意げにクイッと顎を上げながら窓の外を指で示した。
「お庭の樹のピンク色の花の蜜を吸っていますわよ。ほら、あそこですわ! あっ、鳥と目が合いましたわ。こちらに来ますわよ!」
すると、本当に二階のベランダの手すりに向かって飛んできた。自主的に屋敷に戻ってきたのね。
「では、窓を開けさせていただきますね」
ジョシュアが窓を開くと静かに部屋の中へと入ってきた。
「おおっ、おまえは実に賢いな。ダビデよ。余の元に戻るが良いぞ」
私が、鳥篭を取り出すとスッと入ってくれた。私は鳥篭の出入り口を閉じるとアンに手渡した。私は鳥に用などないのよ。
「アン、王都に戻りなさい。今は何かと忙しいのだよ」
「デートの邪魔をするなと言うことですか?」
悪戯っ子のようにクシャッと笑っている。
「アンは知っているのですよ。ウイリアムお兄様は恋人とイチャイチャするつもりなのでしょう? だから、アンが邪魔なのですね?」
「えっ?」
私は戸惑った。女の子は男に比べるとオマセなところがある。アンは、茶目っけのある表情を浮かべながら言う。
「エリザベスから逃げたくなるお気持ちはよく分かりますわ。アンは、エリザベスなど大嫌いでございます。アンの本当の父親は王ではないと言ったこともあります。本当の父親は、鳥人間になって気がふれて死んだという噂をふれまわっておりますのよ。アンは、あんな性悪な女、大嫌いでございます」
王子の妻のエリザベスとアンは敵対しているようである、