花咲く森のから騒ぎ
「そうですわ。お兄様は、美人姉妹のどちらかを愛しておられるようなのですが、一体どちらが本命なのか、エリザベスには分からないようなのです。ですから、この別邸での様子を見たなら、どの娘が本命なのか分かりますでしょう? それを確かめた上で殺すようにと命じていたのでございます」

「おおっ、なんということであろうか……」

 私はよろめいた。あの王子のせいでチェルシーが狙われるとは……。冗談じゃないわよ! 

 そんなの許せない! キーッ!

 そう叫びたい気持ちを隠しつつ、私は密やかに拳を握っていたのだった。
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