イケメン狸さんたち、カボチャを届けにくるよ
第四話 厳しい罰
昼ご飯のあと、みんなは1人また1人教室へと戻っていた。何分立ってもわたしはなかなか教室へ戻れなかった。
正直、化け術テストでたぬきじゃないとバレてお母さんのもとへ戻ればそれはそれで嬉しい。しかし…きびしい罰を受けるという噂だと…やはり正々堂々と化けられないなんか宣言できない!
そうだ!逃げればいいだ!!
ひょろりひょろりと子たぬきの寺子屋の方へと忍び込んだその時…
「おい!千結!早く教室へ戻れよ〜!!」
ギクッ
もう…逃げられない。
座布団の上に座り、ギュッと太もも同士を押し当てた。手はなかなか落ち着かない。
「はい!それでは、今週の化け術テスト始めて行きたいと思います!それぞれが練習してきた一番得意な妖怪の化け術を見せてください。
ここにある妖怪図鑑の特徴と比べてリアルさで最大50点を与えます!
それからは化ける速さで最大10点を与えます。
最後にみんなが化け終わるまでの間化けたままでいられるかどうかで最大40点を与えます!」
ポン助先生がぐらりと深川くんとわたしのところへ振り返った。
「初めて化ける子は不利になるので、これは優等生たちに任せたいところだね。」
深川くんの目は笑った。
優等生の自分は好きだろうな。なんなムカつく。
深川くんは大げさに葉っぱを1枚頭の上に持った。そして、ポンっと落とした。
けむり。
一瞬すぎて目を疑った。
わたしの前にいたのはもう深川くんじゃない。9つのしっぽをもつ巨大な白いキツネだった。
「素晴らしい!素晴らしい!!」
ポン助先生は食い気味でペラペラと張り付けた目で妖怪図鑑をめぐった。
「満点!!図鑑よりも迫力抜群!!」
ポン助先生はうっとりとした。
しばらくしたら、ぐるりとわたしの方へ向かった。
「次は狢沢ちゃん!何を見せてくれるんだろうー」
ポン助先生は浮かれている。
まるでそれと真逆なわたし。
今でも心臓は天井を突き破って東京タワーまで飛んで、ぶつかって、倒らせちゃいそう。
地獄の沈黙が続いた。
もう打ち明けるしかない。
「わたし…化けない!!すみません!!」
そう言ってその場で土下座した。あまりの勢いでうっかり頭を床にぶつけちゃった。
「そんなに才能あるのに年上のたぬきに反抗的?!口答えすんな!」
ポン助先生は怒っていた。
顔を地面から上げるのが怖かった。
「く、口答えじゃないんです…本当にできません…」
ポン助先生が大きく息を吸った。そして、低い唸るような声で囁いた。
「新入生だからもう一回だけチャンスくれちゃうよー。今すぐ化けないと0点にして罰られるよー」
わたしの背中はまるで水を浴びたくらいびしょびしょ。着物の袖の中に手を隠した。
「わかった。先生がっかりだぞ。じゃ、もういい。座れ。」
わたしは深川くんを睨んだ。
次は牙くんだった。
しかし…
「おれは今日化ける気分じゃねぇな〜先生が化けたら?」
先生の目が顔から飛び出した。
「黒森くん!!!」
しかし、先生は一瞬で顔から血を引いた。
「あ、そっかそっか。疲れているね、村長のお稽古とかで。」
「おれは罰をうけることになるかね?千結と一緒に。」
「あ…そうは…」
「いいのよ、ちょうど農業したい気分だったし。村長として平民のこと知らなきゃな。」
農業?!
「あ、わ、わかった。えっと…今回は普段の1週間米作りお手伝いのかわりに…その…そうだ!伝説のかぼちゃのお世話をしてもらうかな!」
授業が終わり、先生から受け取った農作業の服に着替えた。そして、牙くんと一緒に土の道を沈む太陽のほうへと歩いていった。
「ね、ね!!僕も一緒に行くぅぅぅ!!!」
後ろから下駄を鳴らして走ってくる丸吉も。
「伝説のかぼぢゃは勉強しますから。」
と柊くんもきた。
見渡す限りの田んぼと畑。その田んぼの手入れをしているのはおばあちゃんやおじいちゃん、あとはわたしたちと同じ農作業服を着ている同い年の子たち。
って…
「ね、柊さん?あの子たちも大たぬきの寺子屋の生徒無の?」
「そうですね。化け術テストが不合格となった方は通常1週間田んぼで働き、その次の金曜日は別室で前とおなじ内容の化け術テストを受けます。また失敗すれば今度は…」
ガリガリの男の子がバケツを運んでわたしたちの前を取った。
戦慄が走った。
「けれども、今回は特別に1日だけ伝説のかぼぢゃの世話をするということで、再テストをする必要もありませんよ。」
牙くんに本当に助けられたな。感謝、感謝!
突然、みんなは足を止めた。
なになに?
背伸びしてみると…目の前には虹色に光る花畑が一面続いていた。
キンモクセイの香りで鼻がいっぱいになった。寺子屋とおなじあの香りだ。
そして、その花畑の真中に小さな丸っこい草原が広がっていて…その真中に…
普通のかぼちゃ?大きいわけでも光っているわけでもない。お母さんが電子レンジで作るかぼちゃの煮物にでも使えそうなどこから見ても普通のかぼちゃ。
「ね、伝説のかぼちゃって何が伝説なの?」
みんなは一斉にわたしの方を向いた。
「知らないんか?!?!」
正直、化け術テストでたぬきじゃないとバレてお母さんのもとへ戻ればそれはそれで嬉しい。しかし…きびしい罰を受けるという噂だと…やはり正々堂々と化けられないなんか宣言できない!
そうだ!逃げればいいだ!!
ひょろりひょろりと子たぬきの寺子屋の方へと忍び込んだその時…
「おい!千結!早く教室へ戻れよ〜!!」
ギクッ
もう…逃げられない。
座布団の上に座り、ギュッと太もも同士を押し当てた。手はなかなか落ち着かない。
「はい!それでは、今週の化け術テスト始めて行きたいと思います!それぞれが練習してきた一番得意な妖怪の化け術を見せてください。
ここにある妖怪図鑑の特徴と比べてリアルさで最大50点を与えます!
それからは化ける速さで最大10点を与えます。
最後にみんなが化け終わるまでの間化けたままでいられるかどうかで最大40点を与えます!」
ポン助先生がぐらりと深川くんとわたしのところへ振り返った。
「初めて化ける子は不利になるので、これは優等生たちに任せたいところだね。」
深川くんの目は笑った。
優等生の自分は好きだろうな。なんなムカつく。
深川くんは大げさに葉っぱを1枚頭の上に持った。そして、ポンっと落とした。
けむり。
一瞬すぎて目を疑った。
わたしの前にいたのはもう深川くんじゃない。9つのしっぽをもつ巨大な白いキツネだった。
「素晴らしい!素晴らしい!!」
ポン助先生は食い気味でペラペラと張り付けた目で妖怪図鑑をめぐった。
「満点!!図鑑よりも迫力抜群!!」
ポン助先生はうっとりとした。
しばらくしたら、ぐるりとわたしの方へ向かった。
「次は狢沢ちゃん!何を見せてくれるんだろうー」
ポン助先生は浮かれている。
まるでそれと真逆なわたし。
今でも心臓は天井を突き破って東京タワーまで飛んで、ぶつかって、倒らせちゃいそう。
地獄の沈黙が続いた。
もう打ち明けるしかない。
「わたし…化けない!!すみません!!」
そう言ってその場で土下座した。あまりの勢いでうっかり頭を床にぶつけちゃった。
「そんなに才能あるのに年上のたぬきに反抗的?!口答えすんな!」
ポン助先生は怒っていた。
顔を地面から上げるのが怖かった。
「く、口答えじゃないんです…本当にできません…」
ポン助先生が大きく息を吸った。そして、低い唸るような声で囁いた。
「新入生だからもう一回だけチャンスくれちゃうよー。今すぐ化けないと0点にして罰られるよー」
わたしの背中はまるで水を浴びたくらいびしょびしょ。着物の袖の中に手を隠した。
「わかった。先生がっかりだぞ。じゃ、もういい。座れ。」
わたしは深川くんを睨んだ。
次は牙くんだった。
しかし…
「おれは今日化ける気分じゃねぇな〜先生が化けたら?」
先生の目が顔から飛び出した。
「黒森くん!!!」
しかし、先生は一瞬で顔から血を引いた。
「あ、そっかそっか。疲れているね、村長のお稽古とかで。」
「おれは罰をうけることになるかね?千結と一緒に。」
「あ…そうは…」
「いいのよ、ちょうど農業したい気分だったし。村長として平民のこと知らなきゃな。」
農業?!
「あ、わ、わかった。えっと…今回は普段の1週間米作りお手伝いのかわりに…その…そうだ!伝説のかぼちゃのお世話をしてもらうかな!」
授業が終わり、先生から受け取った農作業の服に着替えた。そして、牙くんと一緒に土の道を沈む太陽のほうへと歩いていった。
「ね、ね!!僕も一緒に行くぅぅぅ!!!」
後ろから下駄を鳴らして走ってくる丸吉も。
「伝説のかぼぢゃは勉強しますから。」
と柊くんもきた。
見渡す限りの田んぼと畑。その田んぼの手入れをしているのはおばあちゃんやおじいちゃん、あとはわたしたちと同じ農作業服を着ている同い年の子たち。
って…
「ね、柊さん?あの子たちも大たぬきの寺子屋の生徒無の?」
「そうですね。化け術テストが不合格となった方は通常1週間田んぼで働き、その次の金曜日は別室で前とおなじ内容の化け術テストを受けます。また失敗すれば今度は…」
ガリガリの男の子がバケツを運んでわたしたちの前を取った。
戦慄が走った。
「けれども、今回は特別に1日だけ伝説のかぼぢゃの世話をするということで、再テストをする必要もありませんよ。」
牙くんに本当に助けられたな。感謝、感謝!
突然、みんなは足を止めた。
なになに?
背伸びしてみると…目の前には虹色に光る花畑が一面続いていた。
キンモクセイの香りで鼻がいっぱいになった。寺子屋とおなじあの香りだ。
そして、その花畑の真中に小さな丸っこい草原が広がっていて…その真中に…
普通のかぼちゃ?大きいわけでも光っているわけでもない。お母さんが電子レンジで作るかぼちゃの煮物にでも使えそうなどこから見ても普通のかぼちゃ。
「ね、伝説のかぼちゃって何が伝説なの?」
みんなは一斉にわたしの方を向いた。
「知らないんか?!?!」