光王子と月夜のシンデレラ
「未桜ちゃーん、オムライス2つお願い!」
「はいっ!」
「未桜ちゃん、その次は豚丼ね!」
「はっはい!」

お昼休み――いつも通り賑わう学食。
私は担任の先生に許可をもらい、学食の厨房で料理をふるっている。

ここのメニューは一通り食べたことがあるし、簡単なものが多いので味付けは頭に入っている。
切り盛りしていたおばちゃんしか知らなかった料理の味付けを他の調理担当のみなさんにも共有し、いつも通り営業をすることができた。
キッチンは注文口の奥にあるし、ここに私がいるとみんなにバレることもない。

ふふっ、この賑わい……営業できてよかったな。
学食がないと大変だもんね、だって……

この学校の学食は、学食だけの役割ではなくて、昨日のようなクエストの受付窓口にもなっているのだ。
クエストは出すのも受けるのも学園内のタブレットで可能だけれど、実際に話を聞いたり相談したい人のために、学食に相談窓口として受付スペースが備わっている。
食事をしながら窓口を利用する人も多く、学食と合わせてここはいつでも賑わっている。
だから、なんとしても営業させたかったんだ。

「未桜ちゃん!ピーク越えたし、もう上がっていいよ。本当にありがとう、助かったよ」
「い、いえ。お役に立てたならよかったです」

どうやら任務終了かな。
厨房のみなさんにお礼を言われ恐縮しつつ、私は教室へ戻ろうと、学食の端にある目立たない出口から廊下に出る。

「お疲れ様」
「ひぇっ!」
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