光王子と月夜のシンデレラ
目的の空きコテージに着いた。
コテージというよりは小さなホールという感じで、光は窓からの月明りのみという薄暗い室内。
ちょうど月明かりが当たって正面の壁に大きな絵が飾られているのが見える。
その下に、小さなテーブルと懐中電灯が置かれていた。
「よしっ!これだね」
新菜ちゃんが懐中電灯を取る横で、今宮くんがジーっと正面の絵を見つめている。
「今宮くん?戻るよ?」
うん、と空返事をしながら、ポケットから何かを取り出した。
「篠崎さん、ライト消してくれる?」
「え?あ、うん」
新菜ちゃんが懐中電灯を消すのと同時に、今宮くんは先ほど取り出したライトのようなものを正面の絵に向けた。
「な、何して……」
「この絵、偽物」
「え!?」
「この絵、このブラックライトを当てると、作者のサインだけが光って浮かぶはずなんだ」
「でも、何も見えないね」
「うん、だから偽物。タッチ的にやっぱりAIで造ったものかな。そっくりだけれど、こういう仕掛けまでは再現できなかったみたいだね」
「すごいな……今宮」
さすが今宮くん。こんな状況でもそこまで見抜くとは。
やっぱり、鑑定をしている時の今宮くんが一番キラキラしているしカッコいい。
「どうする?戻って先生にほうこ……」
「ちょっと待って、外に誰かいる」
「え?」
戻ろうかというところで、成沢くんがそう言いながら、シッ!というポーズをした。
「どういうこと?」
「俺の特技、周囲50mの音を拾えるんだ。それで聞こえる」
「次の班の人じゃなくて?」
「いや……話し声が聞こえないんだ。班の人とかなら聞こえるでしょ?しかも、肝試しは俺らが最後じゃなかったっけ」
「先生とか?」
「その可能性はあるけど。足音からして多分2人で、こっちの様子を探ってるような感じがする」
「この偽物の絵にすり替えた犯人とか……?」
「ええ……こわ」
ヒソヒソと話す私たちに対して、足音は近づいてきているらしい。
このコテージの入り口は開けたまま。
運の悪いことに、ちょうど月が雲に隠れてしまったようで、室内は真っ暗になってしまった。
どうする……そのドアの影に潜んで、中に入ってきたところを後ろから捕まえてみる……?
みんな私と同じことを思っていたようで、とりあえず暗闇の中、手探りでドアの左側と右側に分かれて身を潜めた。
多分だけれど、私のいる右側には新菜ちゃんと私の2人。
私の前、ドアに近い方に新菜ちゃんがいて、私を守るように手を広げてくれている。ありがとう。
けれど、外の人が入ってきたらサッと私が出て行こうと思う。
私にも聞こえるほど足音が近づいてきた。
恐らくもう5メートル……
3メートル……
1……
コツン――
今だ!!
コテージというよりは小さなホールという感じで、光は窓からの月明りのみという薄暗い室内。
ちょうど月明かりが当たって正面の壁に大きな絵が飾られているのが見える。
その下に、小さなテーブルと懐中電灯が置かれていた。
「よしっ!これだね」
新菜ちゃんが懐中電灯を取る横で、今宮くんがジーっと正面の絵を見つめている。
「今宮くん?戻るよ?」
うん、と空返事をしながら、ポケットから何かを取り出した。
「篠崎さん、ライト消してくれる?」
「え?あ、うん」
新菜ちゃんが懐中電灯を消すのと同時に、今宮くんは先ほど取り出したライトのようなものを正面の絵に向けた。
「な、何して……」
「この絵、偽物」
「え!?」
「この絵、このブラックライトを当てると、作者のサインだけが光って浮かぶはずなんだ」
「でも、何も見えないね」
「うん、だから偽物。タッチ的にやっぱりAIで造ったものかな。そっくりだけれど、こういう仕掛けまでは再現できなかったみたいだね」
「すごいな……今宮」
さすが今宮くん。こんな状況でもそこまで見抜くとは。
やっぱり、鑑定をしている時の今宮くんが一番キラキラしているしカッコいい。
「どうする?戻って先生にほうこ……」
「ちょっと待って、外に誰かいる」
「え?」
戻ろうかというところで、成沢くんがそう言いながら、シッ!というポーズをした。
「どういうこと?」
「俺の特技、周囲50mの音を拾えるんだ。それで聞こえる」
「次の班の人じゃなくて?」
「いや……話し声が聞こえないんだ。班の人とかなら聞こえるでしょ?しかも、肝試しは俺らが最後じゃなかったっけ」
「先生とか?」
「その可能性はあるけど。足音からして多分2人で、こっちの様子を探ってるような感じがする」
「この偽物の絵にすり替えた犯人とか……?」
「ええ……こわ」
ヒソヒソと話す私たちに対して、足音は近づいてきているらしい。
このコテージの入り口は開けたまま。
運の悪いことに、ちょうど月が雲に隠れてしまったようで、室内は真っ暗になってしまった。
どうする……そのドアの影に潜んで、中に入ってきたところを後ろから捕まえてみる……?
みんな私と同じことを思っていたようで、とりあえず暗闇の中、手探りでドアの左側と右側に分かれて身を潜めた。
多分だけれど、私のいる右側には新菜ちゃんと私の2人。
私の前、ドアに近い方に新菜ちゃんがいて、私を守るように手を広げてくれている。ありがとう。
けれど、外の人が入ってきたらサッと私が出て行こうと思う。
私にも聞こえるほど足音が近づいてきた。
恐らくもう5メートル……
3メートル……
1……
コツン――
今だ!!