光王子と月夜のシンデレラ
2人で夕暮れの街中を万国橋まで歩く。
やっぱり無言……けれど、今度は着いたらすぐに言おう。

いやでも……着いた時に恋人同士でいた方がいいのかな……
ん?よくわからなくなってきた。
でもそんなことを考えていたら、気持ちが高まってきた。今伝えたい……

「今宮くん……パーティー中に言った通りだけど……好きだよ」

歩きながら、今宮くんの袖をつかんで伝える。

「は!?」
「ひぃ!?」

振り返った今宮くんは何だか怒っているような、そんな表情で不安が押し寄せてくる。

「なんであんたは……こんなところで言うんだよ」
「え……な、なんか言いたくなって」
「はあ……着いたらちゃんと俺から言うつもりだったのに……」
「え、ご、ごめんなさい!」
「ふっ……きっと俺は、ずっとこうしてあんたに振り回されていくんだろうな。まあそれもいいけど」

いつの間にか万国橋に着いていた。
私を見る今宮くんの後ろに、オレンジ色に染まったみなとみらいの景色が見える。
やっぱり綺麗な景色だ。

「好きだよ、未桜」
「な、名前……」
「ふっ……俺のことは呼んでくれないの?」
「なっ!……な、那都くん……好きです」

人目をはばからず、今宮くんは私をぎゅっと抱きしめた。

「はあ……やっとだよ」
「やっと?」
「誰かさんが鈍感だから。毎回触れるのとか、言うのとか我慢するの大変なんだから」
「え……もしやよくため息ついていたのって……」
「ため息?……いや、我慢するために気持ちそらしてただけ……」
「よ、よかったです……」
「ごめん、それ気にしてたの?」
「ちょっとだけ……」
「まあ、でももうそんなことないと思うから。我慢しなくてよくなったわけだしね」
「……ひぃ!」

あ……こんな人通りの多いところだった。
気づけば日も沈み、仕事終わりのサラリーマンたちが多くなってきた。

「今宮くん、名残惜しいけれど……ちょっと人が……恥ずかしいです」
「名残惜しいって思ってくれてるんだ?」

ニヤリと微笑みながら私から離れる。
こんなイタズラな一面も好き。どんどん好きがあふれていく。

「うん。もっと……一緒にいたい」
「……あれ乗る?」

今宮くんは後ろにそびえる観覧車を指さした。
その誘いが嬉しくて、迷わず頷いた。
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