初恋が終わらないのは、菖蒲くんのせい
「まあそうだよな。まずは“初恋”といえば、から話し合おうか」

「あ…」

「それなんだけど、初恋に関することをネットで調べて体験談をもとに絵で表してみたの。実物は家に置いてきてるから写真で申し訳ないんだけど、こういうのを合わせて一枚の絵にできたらどう?」


あの、と続けようとした私のか細い声を、白石さんのハキハキとした声で遮られる。


「ええ!すごい!」

「全然まだ試作段階だから、シャーペンと色鉛筆しか使ってない下書きだよ」

「それでもすごいな」


白石さんが見せてくれたのは、薄いピンク色やパステルカラーの花畑、触れそうで触れない距離にいる男女の影絵、結びかけのリボンなどと、まさに“初恋”を連想させるような絵ばかりだった。


「やっぱり甘酸っぱくてときめきを感じるようなものが“初恋”って感じだよね!そっち方向でデザイン案をいくつか考えてみるよ。菖蒲と真帆ちゃんのも参考にしながら」

「そうだな、ありがとう。今日はもう九時を過ぎたし、そろそろ帰るか。話し合ったことはまとめたから後でグループに送っておくな。また明日」

「はーい」

「ありがとう」


朝倉くんが場をまとめてくれて、三人が各々立ち上がった。
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