婚約者に「いらない」と言われた私が、愛され妻を演じることになりました
気づけば、かなり長く話し込んでいた。
到着したと凌也さんから連絡が入り、お店を後にする。ふたり並んで近くの駐車場へ行くと、気づいた凌也さんが車を降りてきてくれた。
「凌也さん、迎えに来てくれてありがとう。彼女が私の親友の美琴です」
私がふたりを紹介し終えたところで、美琴は慎重な様子で口を開いた。
「凪は、辛い思いをたくさんしてきたんです。小さい頃はもっと活発で、たくさん笑う子だったのに……」
真剣に話をする彼女を、私が止められるはずがない。
「だから、彼女には幸せになってほしいんです」
あなたにそれができますかと、美琴の目が真剣に問いかける。
「もちろん。凪はなによりも大切にするし、必ず俺が守ると約束する」
対する凌也さんも、一歩も引かない態度で応じた。
「……はあ」
しばらくの間をおいて、美琴が息を吐き出した。緊迫した空気は途端に霧散し、彼女が笑みを浮かべる。
「急な話でどうなのかって思ったんですけど、この方なら安心。そうでしょ、凪」
うんうんと、首を縦に振る。
「凪のことを、よろしくお願いします」
「任せてくれ」
彼との話を終えて、美琴が私に向き直る。
「凪は幸せになっていいんだよ」
「美琴……」
「ううん。辛かった分、これからは幸せにならないと私が許さないからね」
美琴の言葉に涙が滲みそうになるのを、ぐっとこらえる。
「本条さんなら、凪のかわいい我がままくらい簡単に叶えられるでしょ? だから凪は、もっと図々しくなっていいの」
彼女の言葉に、凌也さんまでうなずく。
「が、がんばってみる」
必死でそう返すと、ふたりは声をあげて笑った。
「それじゃあね、凪。ふたりとも、お幸せに」
手を振って去っていく彼女を、凌也さんと見送る。
「いい親友だな」
「はい。彼女には、ずっと支えてもらってきたんです」
「これまでの凪に、心を許せる存在がいてよかった」
隣をチラッと見上げる。
「帰るか」
「はい!」
思わず明るい声で帰した私に、凌也さんは笑みを深めた。
到着したと凌也さんから連絡が入り、お店を後にする。ふたり並んで近くの駐車場へ行くと、気づいた凌也さんが車を降りてきてくれた。
「凌也さん、迎えに来てくれてありがとう。彼女が私の親友の美琴です」
私がふたりを紹介し終えたところで、美琴は慎重な様子で口を開いた。
「凪は、辛い思いをたくさんしてきたんです。小さい頃はもっと活発で、たくさん笑う子だったのに……」
真剣に話をする彼女を、私が止められるはずがない。
「だから、彼女には幸せになってほしいんです」
あなたにそれができますかと、美琴の目が真剣に問いかける。
「もちろん。凪はなによりも大切にするし、必ず俺が守ると約束する」
対する凌也さんも、一歩も引かない態度で応じた。
「……はあ」
しばらくの間をおいて、美琴が息を吐き出した。緊迫した空気は途端に霧散し、彼女が笑みを浮かべる。
「急な話でどうなのかって思ったんですけど、この方なら安心。そうでしょ、凪」
うんうんと、首を縦に振る。
「凪のことを、よろしくお願いします」
「任せてくれ」
彼との話を終えて、美琴が私に向き直る。
「凪は幸せになっていいんだよ」
「美琴……」
「ううん。辛かった分、これからは幸せにならないと私が許さないからね」
美琴の言葉に涙が滲みそうになるのを、ぐっとこらえる。
「本条さんなら、凪のかわいい我がままくらい簡単に叶えられるでしょ? だから凪は、もっと図々しくなっていいの」
彼女の言葉に、凌也さんまでうなずく。
「が、がんばってみる」
必死でそう返すと、ふたりは声をあげて笑った。
「それじゃあね、凪。ふたりとも、お幸せに」
手を振って去っていく彼女を、凌也さんと見送る。
「いい親友だな」
「はい。彼女には、ずっと支えてもらってきたんです」
「これまでの凪に、心を許せる存在がいてよかった」
隣をチラッと見上げる。
「帰るか」
「はい!」
思わず明るい声で帰した私に、凌也さんは笑みを深めた。