"Mr&Mrs Ogiwara detective office" 事件簿1
アパートには智子が時々来てくれて食事を作ってくれたり掃除をしてくれたり、部屋の中を智子の好きに飾ってくれて男一人の殺風景な雰囲気はない。

まるで新婚さんの部屋のようだ。

2人の交際は会社では内緒なのでデートになかなか行けないが、休みの時は甲州の駅から甲府まで出て待ち合わせをして映画に行ったりしている。

先日初めて1泊で東京の有名なテーマパークに出かけた。

そしてそこで初めて結ばれたのだ。

翔も智子も恋愛経験はほとんどなかった。

初めて結ばれた時二人ともが初めてだったのだ。

翔はDVDを見たり本を読んでなるべく智子に負担がかからないように、初めての時は痛いと書いてあったので痛みを感じさせないように頑張った。

そうして今では智子が部屋に来るたびに抱き合うようになった。

そんな幸せな日々を翔は、自分の浅慮の所為でそして他人を信じたばかりに失なおうとしているのだ。

その上ガラの悪い男たちに詰め寄られて、果樹園に迷惑をかけてしまいとにかく利子だけでも払えと言われて明日中に振り込むと言って帰ってもらった。

翔は社長に呼ばれてどういういきさつだとすべて説明しろと言われて智子と彼女の兄の裕一郎を前に、さよの話を洗いざらい話すことになった。

三人とも呆れていた。智子は

「そんなにその人が好きだったの?」

と泣きはらした目で翔に詰め寄った。

そんな関係ではなかった。

ただ境遇が自分と重なってたった一人の妹の為に300万貸してほしいと言われて何とかしてやりたかっただけだと言ってもなかなか信じてもらえなかった。

そんな事を信じる翔の方がおかしい、世間知らずでは済まされない。

おまけに闇金からも自分の名前でお金を借りられて結局550万ものお金をむしり取られたことになる。

闇金は面倒だし毎月ここに来られても困る。社長も専務も翔にいい顔をしなかった。

でもここを辞めさせられたらどこにも行くところはない。

何とかこちらには来ないように頼むので働かせてほしいと頭を下げた。

智子も一緒に頼んでくれた。それで二人の事は社長の知る所となった。

社長は闇金の事は弁護士に相談しろと言って弁護士の名刺をくれた。

翔は恐る恐る智子と一緒に弁護士に連絡して面会の予約を取った。

でも明日中に利子の20万は相手先の口座に入れなければならない。

智子は10万貸してくれて何とか振り込むことができた。

弁護士に会ってまずは闇金と手を切りましょうと言われた。

でもあなたの名前で借りられているお金は返さなければいけないので、銀行やきちんとした金融会社から250万借りるようにして少しでも早く返さないといけないと言われた。

一日休みをもらって弁護士の言うきちんとした金融会社2社からあわせて250万を何とか借りることができた。

利子がどうのと言っていた闇金には弁護士が話をつけてくれた。

智子が親には内緒で保証人になってくれたので2か所から250万借りられたのだ。
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