棘ある花も愛されたい

次の日、わたしが目を覚ました時には、既にカーテンの隙間から日が差し込んでいた。
しかし、寒さから布団から出るのを渋り、わたしは布団に包まったまま、枕元のスマートフォンに手を伸ばした。

画面をつけて時間を確認すると、時刻はもうすぐ正午を迎えようとしているところだった。

(そんなに寝てたのかぁ······)

わたしはまだ重たい瞼でゆっくりと瞬きをすると、ゆっくりと身体を起こす。
すると、部屋の寒さに身震いをし、自然と身を縮め自分の身体に腕を回した。

寒さから自分の腕を擦りながら布団を出ると、わたしは素早くストーブの電源を入れ、素早く布団の中へと戻る。

(部屋が温まるまで、布団の中にいよう。)

そう思いながら、わたしは再び目を閉じた。

そしてウトウトと寝落ちてしまいそうになった時、枕元でスマートフォンがブブッと振動した。
その音に目を開けたわたしは、手探りでスマートフォンを掴み取る。

画面に映るのは、"新着メッセージ1件"と"禅さん"という名前。

わたしはその名前に目を見開くと、名前をタップして、メッセージアプリを起動させた。

『おはよう!いや、こんにちはかな?今日は17時までには仕事を片付けるから、17時半頃に紗和ちゃんの家に迎えに行くね!』

禅さんからのメッセージを読み、わたしの表情がふと緩んでしまう。
それと共に目覚めの気分も良いものになった気がした。

わたしは、「こんにちは。わかりました、待ってます。」と返信をすると、再び時刻を確認し、(あと5時間半後に会える。)だなんて乙女な事を思いながら、今日作る献立の調理工程を脳内でシュミレーションするのだった。

それから部屋が温まると、わたしはシャワーを浴び、髪を乾かして、少し早いが身支度を整え始める。
いつもどおりの化粧に、ボブヘアの毛先はストレートアイロンを使って外ハネに仕上げていった。

それから悩んだのは服装だ。
わたしはお洒落には無頓着で女の子らしい洋服は持っていない。

いつもラフなパーカーにデニムスタイルばかりで、スカートなどもう何年も履いたことが無かった。

しかし、ただご飯を作りに行って一緒に食べるだけなのに、お洒落をする必要があるだろうか。
それでも普通の女の子なら、お洒落はするものなのだろうか。

そんな事に悩みながらも、わたしが選んだ服装は、白いキャミソールの上に黒い厚手のカーディガンを羽織り、下はグレーのスウェットという、わたしの中ではラフな中でもお洒落に気を使ったスタイルだった。
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