僕の夏休みだけの亡霊(読:ヒーロー)

助ける君

 柴犬は次の日も、そのまた次の日も来た。大体おばさんとおじさんがお仕事のある時間帯や買い物の行っている時間に来るから、二人は柴犬に会ったことがない。
 でも僕が柴犬の話をすると、楽しそうに聞いてくれる。名前は?とか、性別は?とか、色々聞かれるけど、まだ答えはちゃんとできていない。
 あの柴犬は今まで一匹で生きていたのに急に現れたんだろう。僕があげる分以外は自分でちゃんと食事を調達してるんだろうか。
 大丈夫?何があったの?、と聞いて答えてくれるなら楽なものだけど、犬はそういうわけにはいかない。一度餌をあげたからには、僕が責任を持つしかない。かと言って夏休みが終われば、僕はまた地獄のような日々を送ることになる。そうなればあの柴犬はずっとお腹をすかして、尻尾を振って待つことになるだろう。
 一体何が正解で、僕はどうすれば良かったんだろう。あのままお腹をすかしたあの子をほっておくことが正解だったんだろうか。僕は朝から小さな頭を悩ませた。
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