傷ついた王子は森の魔女に癒される
「確かにそれが、主な効果でした。でも、記憶消去ともうひとつ……寿命が延びる効果も付与してあったんです」
「寿命が延びる効果!?」
行商人ジャーヴィスの話を思い出す。
彼も、魔女から寿命を延ばしてもらったと話していた。
「コーデリアさんの薬には、発動条件が仕掛けてありました。ファリエルさんがもしも自分で条件を満たせなかったら記憶が消えて。でも……条件を満たせたから、長寿化の方が発動したんです」
力なくうつむいたリリアナが、両手で顔を覆う。
手の中にこもる声は、涙声になっていた。
「私がそれを伝えたら無効化するってなってて……。だから言えなかった……!」
それでリリアナは、あんなにも切実な顔をして見つめて来ていたのか――。
ファリエルは、深く思いを寄せてくれるリリアナに愛おしさを感じながら、乱れ髪をそっと撫でつけた。
「不安にさせてしまったな。本当にすまない」
「いえ、本当に、よかったです……」
顔を上げたリリアナが涙を拭う。その頭に手を滑らせるたびに、くすぐったそうに目を細める。
徐々に冷静さを取り戻すにつれ、直前の自分の行動の必死さが脳裏によみがえる。今さら恥ずかしさが込み上げてきた。
「えっと、その……条件というのは、君に口づけることだった……?」
「うう……あのですね……」
途端に気まずげな表情に変わったリリアナが両手を頬に押し当てる。
眉根を寄せて、目を泳がせる。
しばらくためらう様子を見せたあと、胸の前で手を組み合わせて、上目遣いでこちらを見た。
「寿命が延びる効果!?」
行商人ジャーヴィスの話を思い出す。
彼も、魔女から寿命を延ばしてもらったと話していた。
「コーデリアさんの薬には、発動条件が仕掛けてありました。ファリエルさんがもしも自分で条件を満たせなかったら記憶が消えて。でも……条件を満たせたから、長寿化の方が発動したんです」
力なくうつむいたリリアナが、両手で顔を覆う。
手の中にこもる声は、涙声になっていた。
「私がそれを伝えたら無効化するってなってて……。だから言えなかった……!」
それでリリアナは、あんなにも切実な顔をして見つめて来ていたのか――。
ファリエルは、深く思いを寄せてくれるリリアナに愛おしさを感じながら、乱れ髪をそっと撫でつけた。
「不安にさせてしまったな。本当にすまない」
「いえ、本当に、よかったです……」
顔を上げたリリアナが涙を拭う。その頭に手を滑らせるたびに、くすぐったそうに目を細める。
徐々に冷静さを取り戻すにつれ、直前の自分の行動の必死さが脳裏によみがえる。今さら恥ずかしさが込み上げてきた。
「えっと、その……条件というのは、君に口づけることだった……?」
「うう……あのですね……」
途端に気まずげな表情に変わったリリアナが両手を頬に押し当てる。
眉根を寄せて、目を泳がせる。
しばらくためらう様子を見せたあと、胸の前で手を組み合わせて、上目遣いでこちらを見た。