傷ついた王子は森の魔女に癒される
4 魔女の野菜の育て方(前編)
リリアナに召喚されてから数日後。
ファリエルは、歩けるほどに回復していた。
寝ている間に預けた衣服は綺麗に洗われていた。
『魔女の秘薬はどんな汚れでも落とせるんですよ』――。
そう教えてくれたときの笑顔を思い出す。
借りていた古着を脱ぎ、洗い上がった自分の服に袖を通す。
ところどころ破けていても、血と汗の跡はどこにも残っていない。
ハーブの香りに包まれる。その優しい香りは、虐げられた記憶を和らげてくれる気がした。
それまで着ていた古着を返しながら問いかける。
「リリアナ。僕になにか手伝えることはあるだろうか」
「お気遣いなく! あ、でももしよかったら、テーブルの移動を手伝ってもらえませんか? 魔法陣を描くのに場所を空けてたんですよ」
「なるほど……」
これまでずっと、家具の配置が不自然だなとは思っていた。
わざわざ家具をどけてまで魔法陣を描き、精霊召喚をしていた理由はなんだろう――。
魔法陣が消え去った場所に、テーブルを置く。
この部屋に移ってきた瞬間を思えば、その直前の光景まで引き出されそうになる。
別のことを考えたくて仕方がない。ファリエルは、少し早口でリリアナに質問を投げかけた。
ファリエルは、歩けるほどに回復していた。
寝ている間に預けた衣服は綺麗に洗われていた。
『魔女の秘薬はどんな汚れでも落とせるんですよ』――。
そう教えてくれたときの笑顔を思い出す。
借りていた古着を脱ぎ、洗い上がった自分の服に袖を通す。
ところどころ破けていても、血と汗の跡はどこにも残っていない。
ハーブの香りに包まれる。その優しい香りは、虐げられた記憶を和らげてくれる気がした。
それまで着ていた古着を返しながら問いかける。
「リリアナ。僕になにか手伝えることはあるだろうか」
「お気遣いなく! あ、でももしよかったら、テーブルの移動を手伝ってもらえませんか? 魔法陣を描くのに場所を空けてたんですよ」
「なるほど……」
これまでずっと、家具の配置が不自然だなとは思っていた。
わざわざ家具をどけてまで魔法陣を描き、精霊召喚をしていた理由はなんだろう――。
魔法陣が消え去った場所に、テーブルを置く。
この部屋に移ってきた瞬間を思えば、その直前の光景まで引き出されそうになる。
別のことを考えたくて仕方がない。ファリエルは、少し早口でリリアナに質問を投げかけた。