傷ついた王子は森の魔女に癒される
「――はっ」
びくっと身体を震わせて目を開く。ファリエルはいつの間にか仰向けになっていた。
処刑台の上にいたはずなのに――そこは、見覚えのない部屋だった。
手かせは外されている。
今、僕は処刑されたのではなかったのか?
いつの間にか別の場所に移された? なぜ?
ここは天国、いや地獄なのか?
今までのは夢だったのか? それとも今、夢を見ているのか?
「くっ……!」
すぐに現実だと思い知らされる。身体中に拷問の痛みがよみがえったからだ。
歯を食いしばって痛みをやり過ごす。
必死に呼吸を繰り返すうちに、誰かが顔を覗き込んでいることに気づいた。
若い女性だった。見覚えはない。ミルクティー色の髪、アクアブルーの瞳。
真っ黒なローブを着ている。
「あ、おはようございます! よかったあ、目覚めてくれて……!」
「君は……?」
「私、魔女のリリアナって言います!」
「――魔女!?」
一番気がかりだった、でも一番聞きたくない単語。無意識のうちに身体がすくむ。
すると、リリアナと名乗った女性がしおしおとうつむいた。
胸の下あたりまで伸びた髪をいじり出す。
「すみません……。嫌、ですよね。魔女なんて」
「嫌なものか! 失礼な態度を取ってしまってすまない」
謝りたくても、痛みで起き上がれない。
動かしづらい手をどうにか持ち上げて、胸に当てる。
「お初にお目に掛かる。僕は……」
名乗ろうとして、ためらう。
僕は、罪人扱いだ。事情を知らないであろう彼女をいざこざに巻き込むわけにはいかない。国名は伏せるべきだろう。
びくっと身体を震わせて目を開く。ファリエルはいつの間にか仰向けになっていた。
処刑台の上にいたはずなのに――そこは、見覚えのない部屋だった。
手かせは外されている。
今、僕は処刑されたのではなかったのか?
いつの間にか別の場所に移された? なぜ?
ここは天国、いや地獄なのか?
今までのは夢だったのか? それとも今、夢を見ているのか?
「くっ……!」
すぐに現実だと思い知らされる。身体中に拷問の痛みがよみがえったからだ。
歯を食いしばって痛みをやり過ごす。
必死に呼吸を繰り返すうちに、誰かが顔を覗き込んでいることに気づいた。
若い女性だった。見覚えはない。ミルクティー色の髪、アクアブルーの瞳。
真っ黒なローブを着ている。
「あ、おはようございます! よかったあ、目覚めてくれて……!」
「君は……?」
「私、魔女のリリアナって言います!」
「――魔女!?」
一番気がかりだった、でも一番聞きたくない単語。無意識のうちに身体がすくむ。
すると、リリアナと名乗った女性がしおしおとうつむいた。
胸の下あたりまで伸びた髪をいじり出す。
「すみません……。嫌、ですよね。魔女なんて」
「嫌なものか! 失礼な態度を取ってしまってすまない」
謝りたくても、痛みで起き上がれない。
動かしづらい手をどうにか持ち上げて、胸に当てる。
「お初にお目に掛かる。僕は……」
名乗ろうとして、ためらう。
僕は、罪人扱いだ。事情を知らないであろう彼女をいざこざに巻き込むわけにはいかない。国名は伏せるべきだろう。