傷ついた王子は森の魔女に癒される
「すまない、変な顔を見せてしまって」
「へ!? 変だなんてとんでもない! ずっと眺めていたいくらい本当にお綺麗なお顔で……あっすみませんおかしなこと言って!」
早口でそう言ったリリアナが、わあわあと小声で喚きながら、両手で顔を覆う。
照れる様子を見せられると、こちらまで照れくさくなってしまう。耳が熱くなる。
奇妙な沈黙。
窓の外から、森の木々のざわめきが聞こえてくる。
しばらくして、リリアナがそっと両手を外した。
細かくまばたきを繰り返す。アクアブルーの瞳が泳ぐ。
「……あら?」
「どうした?」
「いえ、なんでもない、です……」
そっとうつむき、開いた自分の手を見下ろしている。
いかにもおそるおそるといったその動きには、どこか違和感があった。もしかして――。
「リリアナ。僕を見て」
「え!? そんな、恥ずかしい――」
「いいから」
声を被せて強引に言うことを聞かせる。
リリアナが、おずおずと顔を上げる。こちらに振り向く。視線がさまよっている。
目を見合わせようとしても、微妙に別の方向を見ている。
確信を得たファリエルは、思いがけない出来事に緊張しながらも、なるべく冷静な声で問いかけた。
「君、今……目が見えていないだろう」
「はい……。さっき薬が爆発したときに、変な効果が付与されちゃったみたいです」
しょんぼりとうつむいたリリアナが、『こんな失敗、初めてだな……』とつぶやく。
しかしすぐに、笑顔に変わる。
「でも大丈夫です! こういう魔力付与のミスで出た身体症状って、一晩すれば治りますんで!」
「一晩だって、充分長いだろう。心配だな。僕になにかできることはあるだろうか」
「大丈夫ですよ! 本当に、気にしないでください!」
と言って、手のひらを見せた手をぱたぱたと左右に振る。
気にするなと言われても、目が見えない状態のリリアナを放ってはおけない。
「へ!? 変だなんてとんでもない! ずっと眺めていたいくらい本当にお綺麗なお顔で……あっすみませんおかしなこと言って!」
早口でそう言ったリリアナが、わあわあと小声で喚きながら、両手で顔を覆う。
照れる様子を見せられると、こちらまで照れくさくなってしまう。耳が熱くなる。
奇妙な沈黙。
窓の外から、森の木々のざわめきが聞こえてくる。
しばらくして、リリアナがそっと両手を外した。
細かくまばたきを繰り返す。アクアブルーの瞳が泳ぐ。
「……あら?」
「どうした?」
「いえ、なんでもない、です……」
そっとうつむき、開いた自分の手を見下ろしている。
いかにもおそるおそるといったその動きには、どこか違和感があった。もしかして――。
「リリアナ。僕を見て」
「え!? そんな、恥ずかしい――」
「いいから」
声を被せて強引に言うことを聞かせる。
リリアナが、おずおずと顔を上げる。こちらに振り向く。視線がさまよっている。
目を見合わせようとしても、微妙に別の方向を見ている。
確信を得たファリエルは、思いがけない出来事に緊張しながらも、なるべく冷静な声で問いかけた。
「君、今……目が見えていないだろう」
「はい……。さっき薬が爆発したときに、変な効果が付与されちゃったみたいです」
しょんぼりとうつむいたリリアナが、『こんな失敗、初めてだな……』とつぶやく。
しかしすぐに、笑顔に変わる。
「でも大丈夫です! こういう魔力付与のミスで出た身体症状って、一晩すれば治りますんで!」
「一晩だって、充分長いだろう。心配だな。僕になにかできることはあるだろうか」
「大丈夫ですよ! 本当に、気にしないでください!」
と言って、手のひらを見せた手をぱたぱたと左右に振る。
気にするなと言われても、目が見えない状態のリリアナを放ってはおけない。