傷ついた王子は森の魔女に癒される
「先輩たちって、勘がいいというか……。私が失敗して困ってるときに、ふらっと遊びに来てくれたりするんですよね。まるで見てたみたいに」
「それはすごいな。魔女の勘というものがあるのか?」
「そうなんですかね。私にはそういうのはないかもしれませんけど、先輩たちにはあるのかも。一番よく会いに来てくれた先輩はコーデリアさんっていうんですけど、とってもすごい方なんですよ。作るのが難しい薬をさらっと作れちゃうし、魔法を使って魔物と戦ったりもできるし、ほうきに乗って空を飛べたりもして」


 今まで聞いたことのない、魔女の能力に驚かされる。
 本当に、魔女という存在は、人間とは違うものなんだ――。


 自分が出会った魔女について思い出すのが怖くても、リリアナに対してはますます興味が湧いてくる。

「君は、今言ったようなことはできないのか?」
「えーと、まったくできないってわけじゃないんですけど。そういうのって、薬を作るよりもものすごくたくさん魔力を使うので、本当にちょこっとだけしかできなくて。なので、実用的ではないんですよね」
「なるほど……」

 魔女についての話を聞くうちに、前に考えないようにした疑問が再び頭に浮かんでくる。
 今なら、魔女に出会い(・・・)というものがあるかどうか、聞けるだろうか。

(いや、こんなことを尋ねて、もしも『それくらいある』なんて答えられたら……)


 そのとき自分はどう感じるだろう――。
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