傷ついた王子は森の魔女に癒される
「あっ、言いづらいことですか? でしたら教えていただかなくて大丈夫です! あなたのプライベートに踏み込むつもりはないですし」
「……。お気遣い、感謝する。……――っ」
また傷が疼き出した。とっさに押さえたら、ますます痛みがひどくなった。
顔をしかめてやり過ごす。僕は、確かに生きている――。
ファリエルが痛みをこらえていると、リリアナが切なげに眉をひそめた。
「ひどい傷……。痛いですよね。お薬を飲んでもらいたいんですけど……。私が作った薬でもいいですか?」
「……ああ」
軽くうなずいてみせる。その動きだけで全身の傷が脈打ち始める。ぎゅっと目を閉じて痛みをこらえる。
まぶたを開き、改めて自分の全身を見る。
ぼろぼろになったシャツとズボン。高級な生地で出来た服も、ここまで汚れていれば王族とは気づかれないだろう。
血とほこりで汚れた服を眺めているうちに、牢屋での光景が浮かんできた。
狂った笑顔で鞭を振るってくる兵士。
鉄格子の向こうで口の端を吊り上げる、異母兄と婚約者――。
「っ……!」
たちまち心臓が加速し、呼吸が乱れる。
腹をひくひくとさせながら、息の乱れを抑える。
すると目の前に小瓶を差し出された。中には青い液体が入っている。
「こちらをお飲みください」
「これは?」
「回復薬です。私が調合したものです」
初めて飲む魔女の薬に、おそるおそる口を付ける。
酒とも果汁とも違う、濃厚な甘さ。でも喉につかえたりせず、すんなり飲み込めた。
最後のひと口を飲み干した途端――痛みが嘘のように和らいでいった。
まだ脈打つ感覚は続いている。痛みも完全になくなったわけではない。耐えきれないほどではなくなった程度だ。
それだけでもありがたい――。ほっと息を吐き出し、差し出された手に小瓶を返す。
するとリリアナが少しうつむき、心配そうに顔を覗き込んできた。
「……。お気遣い、感謝する。……――っ」
また傷が疼き出した。とっさに押さえたら、ますます痛みがひどくなった。
顔をしかめてやり過ごす。僕は、確かに生きている――。
ファリエルが痛みをこらえていると、リリアナが切なげに眉をひそめた。
「ひどい傷……。痛いですよね。お薬を飲んでもらいたいんですけど……。私が作った薬でもいいですか?」
「……ああ」
軽くうなずいてみせる。その動きだけで全身の傷が脈打ち始める。ぎゅっと目を閉じて痛みをこらえる。
まぶたを開き、改めて自分の全身を見る。
ぼろぼろになったシャツとズボン。高級な生地で出来た服も、ここまで汚れていれば王族とは気づかれないだろう。
血とほこりで汚れた服を眺めているうちに、牢屋での光景が浮かんできた。
狂った笑顔で鞭を振るってくる兵士。
鉄格子の向こうで口の端を吊り上げる、異母兄と婚約者――。
「っ……!」
たちまち心臓が加速し、呼吸が乱れる。
腹をひくひくとさせながら、息の乱れを抑える。
すると目の前に小瓶を差し出された。中には青い液体が入っている。
「こちらをお飲みください」
「これは?」
「回復薬です。私が調合したものです」
初めて飲む魔女の薬に、おそるおそる口を付ける。
酒とも果汁とも違う、濃厚な甘さ。でも喉につかえたりせず、すんなり飲み込めた。
最後のひと口を飲み干した途端――痛みが嘘のように和らいでいった。
まだ脈打つ感覚は続いている。痛みも完全になくなったわけではない。耐えきれないほどではなくなった程度だ。
それだけでもありがたい――。ほっと息を吐き出し、差し出された手に小瓶を返す。
するとリリアナが少しうつむき、心配そうに顔を覗き込んできた。