傷ついた王子は森の魔女に癒される
「俺は子供の頃、病弱だったせいで貧乏な親に捨てられてさ。そしたらとある魔女が拾ってくれたんだ」

 リリアナから受け取った瓶を格子状の枠のついた箱に並べながら、話を続ける。

「彼女に恩返ししたくて『貴女のために生きる』って宣言したら、『私はもう老い先短いから、他の魔女たちに尽くして欲しい』って言われてさ。それで魔女並みに寿命が延びる薬を飲ませてもらって、こうしていろんな魔女の家を回って御用聞きしてるってわけ」
「魔女並み、というと?」
「魔女って人間よりもずっと長生きなんだよ。だいたい千年(・・)くらい生きるんだ」
「千年も……!?」

 そんな話、一度も聞いたことがなかった――! ファリエルが新事実に驚いていると、リリアナが照れくさそうに笑った。

「私、225歳ですよ」
「全然見えない……! 年下かと思っていた。君はそんなに年上なのか!?」
「実はそうなんです。あ、そういえばずっと聞きそびれてましたけど、ファリエルさんっておいくつなんですか?」
「僕は二十歳だ」
「二十歳……」

 すかさずジャーヴィスが小声でつぶやいた。

「なにか?」
「いいや、何でもない」
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