傷ついた王子は森の魔女に癒される
15 魔女と見知らぬ街へ(前編)
うっそうとした森を、リリアナに続いて歩く。
見渡す限りの森は薄暗く、静けさが漂っている。
木々を眺めながら歩いていたら、厚い苔のぬめりに足を取られそうになった。
人前で転びそうになったのは、子供のとき以来だ。
深い森は日差しが届かないせいで涼しく、いくらでも歩けそうな気がした。
緑の匂いを胸いっぱいに吸い込んで、リリアナの背中を追う。
リリアナは慣れているのか、なんの目印もないのに、まるで道があるかのように迷いなく進んでいく。
倒木に並んで座って水を飲んだり、携帯食料を食べたり。
ときどき小休止を挟んで数時間。
木漏れ日の角度が垂直に近くなってきたころになって、ふとリリアナが立ち止まった。
なにもない前方に手をかざす。
「どうした?」
「森の外に誰もいないか確認してます」
「――!」
辺りを見回してみる。
相変わらず、視界いっぱいに森は続いている。
森の外が近いとは思えない。
遠くに目を凝らしても、街道らしきものは見えない。
しばらく静止していたリリアナが、目だけでファリエルを見た。
「森から出る手続きをします。いいですか?」
「……!」
その言葉に胸がぎゅっと締め付けられた。
魔法で細工が施されているとして。
きっと、自分たちが立っているこの場所が森の端なのだろう。
見渡す限りの森は薄暗く、静けさが漂っている。
木々を眺めながら歩いていたら、厚い苔のぬめりに足を取られそうになった。
人前で転びそうになったのは、子供のとき以来だ。
深い森は日差しが届かないせいで涼しく、いくらでも歩けそうな気がした。
緑の匂いを胸いっぱいに吸い込んで、リリアナの背中を追う。
リリアナは慣れているのか、なんの目印もないのに、まるで道があるかのように迷いなく進んでいく。
倒木に並んで座って水を飲んだり、携帯食料を食べたり。
ときどき小休止を挟んで数時間。
木漏れ日の角度が垂直に近くなってきたころになって、ふとリリアナが立ち止まった。
なにもない前方に手をかざす。
「どうした?」
「森の外に誰もいないか確認してます」
「――!」
辺りを見回してみる。
相変わらず、視界いっぱいに森は続いている。
森の外が近いとは思えない。
遠くに目を凝らしても、街道らしきものは見えない。
しばらく静止していたリリアナが、目だけでファリエルを見た。
「森から出る手続きをします。いいですか?」
「……!」
その言葉に胸がぎゅっと締め付けられた。
魔法で細工が施されているとして。
きっと、自分たちが立っているこの場所が森の端なのだろう。