傷ついた王子は森の魔女に癒される
17 武器の調達と、幼い魔女との思い出
鍛冶屋の店主と目を合わせる。
息を詰めて、相手の出方を見る。
もしも僕が、指名手配されていたとしたら。
彼は、自警団を呼ぶために店を飛び出すかもしれない。
今さら別人のふりをする意味はあるだろうか。
そう迷いながら、店主の挙動を警戒する。
ひとまず客のふりをしてみせて、反応を見よう――。
ファリエルが挨拶しようと息を吸い込んだ矢先。
男性の方が先に、ぽつりと言葉を発した。
「あんた……」
「……?」
僕が、なんだというのだろう。
もし僕がファリエル王子だとばれたら、リリアナの手を掴んで逃げ出そう。
「とっ……」
「と?」
なにを話そうとしているかわからず、わずかに首をかしげてみせる。
すると突然。
「――とんでもねえべっぴんさんだな! うちには冒険者がしょっちゅう訪ねてくるけどよ、あんたほどの美人は初めてだ!」
大声を浴びせかけられた。平和な内容の発言にほっとする。
「……そうか。お褒めにあずかり光栄だ」
ダークブルーの長い髪を払いながら、そっと笑みを浮かべてみせる。
だらしない顔をした店主が「ほわ……」と口を開けた。
その反応に困って隣を見る。
リリアナもまた、ファリエルを見上げて同じ顔をしていた。
心の中だけでこっそり苦笑しながら、小声でたしなめる。
「(リリアナ。君は今は私の主なのだから、そんな風に見とれた顔をしてはいけないよ)」
「(……! そ、そうでした)」
必死な様子でうなずいたリリアナが、頬を押さえてゆるんだ表情を戻そうとする。
その可愛らしさに、張り詰めていた緊張感がふっと軽くなった。
店内に漂う、奇妙な雰囲気。
小さく咳払いしてから、本来の目的を切り出す。
息を詰めて、相手の出方を見る。
もしも僕が、指名手配されていたとしたら。
彼は、自警団を呼ぶために店を飛び出すかもしれない。
今さら別人のふりをする意味はあるだろうか。
そう迷いながら、店主の挙動を警戒する。
ひとまず客のふりをしてみせて、反応を見よう――。
ファリエルが挨拶しようと息を吸い込んだ矢先。
男性の方が先に、ぽつりと言葉を発した。
「あんた……」
「……?」
僕が、なんだというのだろう。
もし僕がファリエル王子だとばれたら、リリアナの手を掴んで逃げ出そう。
「とっ……」
「と?」
なにを話そうとしているかわからず、わずかに首をかしげてみせる。
すると突然。
「――とんでもねえべっぴんさんだな! うちには冒険者がしょっちゅう訪ねてくるけどよ、あんたほどの美人は初めてだ!」
大声を浴びせかけられた。平和な内容の発言にほっとする。
「……そうか。お褒めにあずかり光栄だ」
ダークブルーの長い髪を払いながら、そっと笑みを浮かべてみせる。
だらしない顔をした店主が「ほわ……」と口を開けた。
その反応に困って隣を見る。
リリアナもまた、ファリエルを見上げて同じ顔をしていた。
心の中だけでこっそり苦笑しながら、小声でたしなめる。
「(リリアナ。君は今は私の主なのだから、そんな風に見とれた顔をしてはいけないよ)」
「(……! そ、そうでした)」
必死な様子でうなずいたリリアナが、頬を押さえてゆるんだ表情を戻そうとする。
その可愛らしさに、張り詰めていた緊張感がふっと軽くなった。
店内に漂う、奇妙な雰囲気。
小さく咳払いしてから、本来の目的を切り出す。