傷ついた王子は森の魔女に癒される
「僕は、そこで……処刑されたんだ」
「処刑!? あなたが!? なぜですか!?」
「……」

 無言を返すことしかできない。それが答えになってしまった。
 リリアナが、見る間に青ざめていく。


「……魔女に(・・・)関わったから(・・・・・・)、あなたは罰せられてしまったのですね……」


 そうつぶやいたリリアナが、その場にくずおれた。
 アクアブルーの瞳が涙に覆われていく。

「本当に、ごめんなさい……! 私が……! 私のせいで……!」
「――君のせいじゃない!」

 声を張りあげる。ここまで大声で叫んだのは今まで生きてきて初めてだった。
 リリアナに向かって駆け出す。
 なんのなぐさめにもならないことはわかっている。
 それでも自分の言葉が嘘ではないと、彼女の手を握って伝えたい。


 処刑台に駆け寄り、リリアナの前に膝を突こうとしたその瞬間。



「――なんであいつの弟(・・・・・)が生きてんのよ! 処刑されたはずでしょう!?」



 背後で爆発音がした。凄まじい爆風に吹き飛ばされそうになる。
 リリアナに覆い被さる。
 砂埃が一面に舞う。


 腕で顔をかばいながら振り返る。
 すると、黒いローブをまとった少女が宙に浮いたほうきの上に立っていた。

 その赤い目は血走り、黒く長い髪が揺らめいていた――。
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