傷ついた王子は森の魔女に癒される
リリアナは、小さな寝息だけが聞こえる部屋に立ち尽くしていた。
おそるおそるベッドに近づいて、眠るファリエルの顔をまじまじと見つめる。
銀白色の髪が、色白の顔に掛かっている。
髪と同じ色のまつ毛は驚くほどに長い。
「なんて綺麗な人なんだろう。まさか、精霊じゃないよね?」
人型の精霊がいるなんて聞いたことがない。だから人間のはず。
だとしたら、どうして私、人間を召喚できちゃったのかな――。
「召喚前のことを聞いたら怖がってたような気がしたけど、なにしてたんだろう……」
頬が少しやつれている。薄く開かれた唇も、よく見ると荒れている。
「誰かに襲われたのかな。きっと怖かったよね。もう、なにも怖いことなんてないですからね。ゆっくり眠ってくださいね、ファリエルさん」
小声で話しかける。ファリエルは微動だにしない。呼吸で布団が動いていなかったら、人形に見えるくらい端整な顔立ちをしている。
寝顔を眺めているうちに、とくん、とくんと心臓が高鳴っていることに気づいた。
これまでリリアナは、戸惑っているファリエルを困らせないように冷静なふりをしていた。
遅れてやってきた緊張感に、どきどきが止まらない。胸に手を当てて、すうっと深呼吸する。
落ち着きを取り戻してから、改めてファリエルを見る。
その途端にふと、おぼろげな記憶が浮かんできた。
「ファリエルさんって、どこかで見たことあるような……。ううん、気のせいだよね」
だって、あの人はもう死んでいるはずだから――。
おそるおそるベッドに近づいて、眠るファリエルの顔をまじまじと見つめる。
銀白色の髪が、色白の顔に掛かっている。
髪と同じ色のまつ毛は驚くほどに長い。
「なんて綺麗な人なんだろう。まさか、精霊じゃないよね?」
人型の精霊がいるなんて聞いたことがない。だから人間のはず。
だとしたら、どうして私、人間を召喚できちゃったのかな――。
「召喚前のことを聞いたら怖がってたような気がしたけど、なにしてたんだろう……」
頬が少しやつれている。薄く開かれた唇も、よく見ると荒れている。
「誰かに襲われたのかな。きっと怖かったよね。もう、なにも怖いことなんてないですからね。ゆっくり眠ってくださいね、ファリエルさん」
小声で話しかける。ファリエルは微動だにしない。呼吸で布団が動いていなかったら、人形に見えるくらい端整な顔立ちをしている。
寝顔を眺めているうちに、とくん、とくんと心臓が高鳴っていることに気づいた。
これまでリリアナは、戸惑っているファリエルを困らせないように冷静なふりをしていた。
遅れてやってきた緊張感に、どきどきが止まらない。胸に手を当てて、すうっと深呼吸する。
落ち着きを取り戻してから、改めてファリエルを見る。
その途端にふと、おぼろげな記憶が浮かんできた。
「ファリエルさんって、どこかで見たことあるような……。ううん、気のせいだよね」
だって、あの人はもう死んでいるはずだから――。