キスしない約束の恋
第2話 壊しに来た男
「転校生を紹介する」
教室の空気が、少しだけざわつく。
朝。
いつも通りの時間。
でも。
なぜか、少しだけ胸が落ち着かない。
「入れ」
扉が開く。
入ってきたのは。
――見たことのない、男。
整った顔。
静かな雰囲気。
でも。
どこか、冷たい。
「九条湊です」
短く名乗る。
その瞬間。
後ろの方で、椅子が鳴った。
「……は?」
神崎くん。
珍しく、驚いた顔をしている。
「お前……」
九条が、そっちを見る。
一瞬。
目が合う。
「久しぶり」
薄く、笑った。
空気が、変わる。
「知り合い?」
誰かが小さく言う。
「……まあな」
神崎くんの声は、低かった。
そのまま、九条は歩く。
そして。
私の前で、止まった。
「……」
視線が、落ちる。
合う。
ぞくっとする。
「ここ、いい?」
「……はい」
断れなかった。
席に座る。
近い。
「へぇ」
小さく、呟く。
「珍しい」
「……何がですか」
「蓮が、隣に誰か置いてるの」
心臓が、跳ねる。
「……」
「朝比奈、だっけ」
「……っ」
名前を、呼ばれる。
ちゃんと。
「いい名前だね」
にこっと笑う。
でも。
どこか、怖い。
「……やめろ」
低い声。
神崎くん。
「関わんな」
「なんで?」
九条が、楽しそうに笑う。
「彼女?」
「……違う」
即答。
「へぇ」
その言葉に。
胸が、少しだけ痛む。
「でもさ」
九条が、こちらを見る。
「面白そうだから、関わる」
「……っ」
「やめろって言ってんだろ」
「無理」
あっさりと。
「だってさ」
少しだけ、顔を近づける。
「壊れそうじゃん」
その言葉に。
背筋が、冷える。
「……やめろ」
神崎くんの声が、強くなる。
「何を?」
「お前が大事にしてるもの、壊すの」
にこっと笑って。
「得意なんだよね」
空気が、張り詰める。
私は。
動けなかった。
ただ。
この人が。
“危ない人”だってことだけは。
はっきりと、わかっていた。
教室の空気が、少しだけざわつく。
朝。
いつも通りの時間。
でも。
なぜか、少しだけ胸が落ち着かない。
「入れ」
扉が開く。
入ってきたのは。
――見たことのない、男。
整った顔。
静かな雰囲気。
でも。
どこか、冷たい。
「九条湊です」
短く名乗る。
その瞬間。
後ろの方で、椅子が鳴った。
「……は?」
神崎くん。
珍しく、驚いた顔をしている。
「お前……」
九条が、そっちを見る。
一瞬。
目が合う。
「久しぶり」
薄く、笑った。
空気が、変わる。
「知り合い?」
誰かが小さく言う。
「……まあな」
神崎くんの声は、低かった。
そのまま、九条は歩く。
そして。
私の前で、止まった。
「……」
視線が、落ちる。
合う。
ぞくっとする。
「ここ、いい?」
「……はい」
断れなかった。
席に座る。
近い。
「へぇ」
小さく、呟く。
「珍しい」
「……何がですか」
「蓮が、隣に誰か置いてるの」
心臓が、跳ねる。
「……」
「朝比奈、だっけ」
「……っ」
名前を、呼ばれる。
ちゃんと。
「いい名前だね」
にこっと笑う。
でも。
どこか、怖い。
「……やめろ」
低い声。
神崎くん。
「関わんな」
「なんで?」
九条が、楽しそうに笑う。
「彼女?」
「……違う」
即答。
「へぇ」
その言葉に。
胸が、少しだけ痛む。
「でもさ」
九条が、こちらを見る。
「面白そうだから、関わる」
「……っ」
「やめろって言ってんだろ」
「無理」
あっさりと。
「だってさ」
少しだけ、顔を近づける。
「壊れそうじゃん」
その言葉に。
背筋が、冷える。
「……やめろ」
神崎くんの声が、強くなる。
「何を?」
「お前が大事にしてるもの、壊すの」
にこっと笑って。
「得意なんだよね」
空気が、張り詰める。
私は。
動けなかった。
ただ。
この人が。
“危ない人”だってことだけは。
はっきりと、わかっていた。