履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜

「はぁ、お腹いっぱいです」

ゆずサワーを呑みながら万珠は眠そうな目になってきた。

「それなら良かったが…まだ寝るなよ」

「はい、気持ちいいだけです」

肘をテーブルにつけてにっこりとした笑顔で慧介を見る。

「社長を見た時にー、芸能人オーラ出てるなって思ったんですよね…」

「俺が?」

「はい、やっぱりこっちの世界の人だったんですね」

「高校生からモデルはやってたかな、そこまで有名じゃないぞ、微妙なインフルエンサーだ(笑)」

「万珠はー、地下アイドルやっていてグループ卒業と同時にSNSはやめましたね、今は別のアカウントで見る専だけですーあ〜あ、アイドルになりたかったなぁ…」

「そうか…地下アイドル」

「だから誰にでもいい顔しちゃって…笑顔作ってニコニコしてます」

「本当の小悪魔だな」

「そんな事ないですよ、モテないもん」

「いやいやモテるだろ」

「モテないからセンターに立ったことないもん!」

「センターが重要なのか?」

「もちろん」

「それは彼氏とかじゃ満たされないものか?」

「…わかりません…だって恋愛禁止だったから」

「卒業したならOKだろ?」

「でも…売れない地下アイドルでも元なんとかってリークされるの嫌だし」

「はあ?白鳥処女かよ」

「むっ、ダメですか?」

「いや…ダメって訳じゃないけど、ちょっと意外で」

「私、誰でもホイホイついていく女じゃないですよ」

少し頬をぷくっと膨らまして慧介の方を見る。

「わかった、すまない、ほらもっと食え、呑め」

「牛タンとウーロンハイをお願いします、あとハラミ」

ニコニコしながらまた食べ始めた。
< 15 / 158 >

この作品をシェア

pagetop