藤木部長にロックオン〜あの子のハートビームから逃げられない〜
デキスギ女子
(仕方ない。こればかりは仕方ないんだ)
タクシーで片瀬くるみを社宅マンションまで送りながら、俺は懸命に気持ちを落ち着かせていた。
(例えばこれが赤石千夏だったとしても、なんなら男性社員だったとしても、俺は部長として同じ対応をしただろう。だから我慢だ。今日のハートビームはひときわ強力だが、なんとか踏ん張れ)
なるべく反対側のドアに身を寄せ、窓の外を眺めながら時間をやり過ごす。
ようやく社宅に着くと、支払いを済ませてから、片瀬くるみの肩を支えてタクシーを降りた。
(ひねったのは左足だから、左肩を支えればいいよな)
そう思って歩き出すが、なぜだか片瀬くるみは右足もフニャフニャで、亀の速度でしか歩けない。
ビビビッと至近距離で浴びせられるハートビームに混じって、『抱っこ……』と幻聴が聞こえてきた。
(負けるな、俺!!)
クッと表情を歪めて真剣に前を見据えると、ハートビームは『かっこいい!』とばかりに威力を増す。
(ええい、もう! 毒を喰らわば皿まで )
俺は周りに誰もいないことを確かめると、一気に片瀬くるみを抱き上げて、スタスタと部屋に向かった。
タクシーで片瀬くるみを社宅マンションまで送りながら、俺は懸命に気持ちを落ち着かせていた。
(例えばこれが赤石千夏だったとしても、なんなら男性社員だったとしても、俺は部長として同じ対応をしただろう。だから我慢だ。今日のハートビームはひときわ強力だが、なんとか踏ん張れ)
なるべく反対側のドアに身を寄せ、窓の外を眺めながら時間をやり過ごす。
ようやく社宅に着くと、支払いを済ませてから、片瀬くるみの肩を支えてタクシーを降りた。
(ひねったのは左足だから、左肩を支えればいいよな)
そう思って歩き出すが、なぜだか片瀬くるみは右足もフニャフニャで、亀の速度でしか歩けない。
ビビビッと至近距離で浴びせられるハートビームに混じって、『抱っこ……』と幻聴が聞こえてきた。
(負けるな、俺!!)
クッと表情を歪めて真剣に前を見据えると、ハートビームは『かっこいい!』とばかりに威力を増す。
(ええい、もう! 毒を喰らわば皿まで )
俺は周りに誰もいないことを確かめると、一気に片瀬くるみを抱き上げて、スタスタと部屋に向かった。