藤木部長にロックオン〜あの子のハートビームから逃げられない〜
君は君のままで
次の日、朝食を食べ終えると、気分転換にドライブに出かけることにした。

もちろん片瀬くるみは歩かせずに。

部屋から抱き上げてエレベーターまで行くと、いつものように片瀬くるみがボタンを押す。

「駐車場は地下1階ですか?」
「ああ」

俺を見上げた片瀬くるみと、視線を下げた俺の顔が至近距離に迫り、唇が触れそうになって慌てて顔を上げた。

片瀬くるみは恥ずかしさに俺の首に抱きつけなくなったようで、そっと俺の胸元を掴んで頬を寄せている。

守ってあげたくなるような庇護欲に駆られて、グッと両腕に力を込めてしまう俺。

(だめだ、調子が狂う。これならあのハートビームの方がまだマシだったかも?)

あの時はあの時で困っていたはずだが、今のこの困りようとは違う。

なんともむず痒く、妙な緊張感さえ漂うのだ。

(ドライブは、やめた方がよかったも。密室に二人きりなんて、耐えられるのか?)

そう思いながら、片瀬くるみを助手席に座らせると、俺は運転席に回ってエンジンをかける。

「海でも見に行くか?」

何気なくそう言うと、片瀬くるみは嬉しそうに「はい!」と頷く。

こういうのにもまだ慣れない。

高速道路に乗り、海に隣接した大きなな公園に向かった。
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