藤木部長にロックオン〜あの子のハートビームから逃げられない〜
「部長、部長?」
翌朝。
揺すり起こされて、俺はソファでぼんやり目を開ける。
片瀬くるみが、心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
「んー、おはよう。よく眠れたか?」
「はい、おかげさまで。あの、部長」
「なんだ?」
俺は伸びをしながらあくびを噛み殺す。
「会社は?」
「ふぁー……、会社な。会社……会社!?」
一気に目が覚めて、ガバッと飛び起きた。
「そうか、月曜日か! 今何時だ?」
「7時です」
「7時? よかった、まだ間に合うな」
ホッとしてから、再び「あ……」と真顔になる。
「ごめん、昨日のうちに君をマンションまで送るはずだったのに」
「いえ、一人で帰れますから」
「電車で帰るとか言うなよ。ちゃんとタクシー使うか?」
「……は、い」
「嘘が下手だな」
うっ……と、片瀬くるみはうつむいた。
「それに食料品の買い出しもあるだろ。とりあえず、俺が帰ってくるまでここにいろ。午後からテレワークにするから、12時半には戻る」
「ええ!? そんな。私の為にそんなことはさせられません」
「いや、実は部署のメンバーの評価シートを書くことになってるんだ。会社で書くと誰かに見られる恐れがあるから、どのみちうちでやろうと思っていた」
「そうなのですか?」
「ああ。だから気にするな」
そう言うと俺は立ち上がり、バスルームでシャワーを浴びてから着替える。
「部長、少しですけど朝食をどうぞ」
ダイニングに戻ると、テーブルにはコーヒーやトースト、ベーコンエッグとサラダが並んでいた。
「ありがとう」
贅沢な気分で朝食を味わうと、玄関まで見送ろうとする片瀬くるみを止めた。
「安静にしてろ。いいな?」
「……はい」
「逃げるなよ?」
「逃げませんよ!」
ははっと笑ってから、片瀬くるみの頭にポンと手を置く。
「じゃあな、いい子で留守番してろよ?」
「はい、行ってらっしゃい」
「行ってきます」
玄関を出ると、顔がニヤけていることに気づき、俺は慌ててポーカーフェイスを作ってから歩き出した。
翌朝。
揺すり起こされて、俺はソファでぼんやり目を開ける。
片瀬くるみが、心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
「んー、おはよう。よく眠れたか?」
「はい、おかげさまで。あの、部長」
「なんだ?」
俺は伸びをしながらあくびを噛み殺す。
「会社は?」
「ふぁー……、会社な。会社……会社!?」
一気に目が覚めて、ガバッと飛び起きた。
「そうか、月曜日か! 今何時だ?」
「7時です」
「7時? よかった、まだ間に合うな」
ホッとしてから、再び「あ……」と真顔になる。
「ごめん、昨日のうちに君をマンションまで送るはずだったのに」
「いえ、一人で帰れますから」
「電車で帰るとか言うなよ。ちゃんとタクシー使うか?」
「……は、い」
「嘘が下手だな」
うっ……と、片瀬くるみはうつむいた。
「それに食料品の買い出しもあるだろ。とりあえず、俺が帰ってくるまでここにいろ。午後からテレワークにするから、12時半には戻る」
「ええ!? そんな。私の為にそんなことはさせられません」
「いや、実は部署のメンバーの評価シートを書くことになってるんだ。会社で書くと誰かに見られる恐れがあるから、どのみちうちでやろうと思っていた」
「そうなのですか?」
「ああ。だから気にするな」
そう言うと俺は立ち上がり、バスルームでシャワーを浴びてから着替える。
「部長、少しですけど朝食をどうぞ」
ダイニングに戻ると、テーブルにはコーヒーやトースト、ベーコンエッグとサラダが並んでいた。
「ありがとう」
贅沢な気分で朝食を味わうと、玄関まで見送ろうとする片瀬くるみを止めた。
「安静にしてろ。いいな?」
「……はい」
「逃げるなよ?」
「逃げませんよ!」
ははっと笑ってから、片瀬くるみの頭にポンと手を置く。
「じゃあな、いい子で留守番してろよ?」
「はい、行ってらっしゃい」
「行ってきます」
玄関を出ると、顔がニヤけていることに気づき、俺は慌ててポーカーフェイスを作ってから歩き出した。