藤木部長にロックオン〜あの子のハートビームから逃げられない〜
こっちのはると
それからのくるみは、職場でも服装や髪型を変え、誰にでも笑顔で楽しそうに話をするようになった。

本来のくるみらしさを感じて俺は微笑ましく見守っていたのだが、意図せずくるみは一層モテまくる。

「片瀬さん、あんなに笑顔が可愛いなんてな」
「ふわっとしたスカートも似合ってるし」
「話しかけたら、にこって笑い返してくれたんだぜ」
「あー、つき合いたい。俺のものにしたいー」

そんな話を小耳に挟んでしまっては、もはや俺も平常心ではいられない。

「くるみ、今夜俺の部屋に来い」

有無を言わさず、すれ違いざまにそう告げた。

定時になると、そそくさと席を立つくるみを追いかけて、俺もオフィスを出る。

仕事はうちに持ち帰ろう。
くるみと一緒に持ち帰ろう。

そう心の中で唱え、駅へと歩くくるみの後ろ姿を見つけると、足早に近づいて肩を抱いた。

「お待たせ。帰るぞ」
「え、あの、部長」
「部長? そんな呼び方するなら、キスするぞ?」
「ちょっ、なにを……」

顔を真っ赤にして絶句するくるみに、俺は大人の余裕を漂わせてニヤリと笑う。

早く部屋で二人きりになりたいという気持ちを抑えながら……
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