藤木部長にロックオン〜あの子のハートビームから逃げられない〜
夏が過ぎ、秋が深まるにつれて、俺たちも絆を深めていく。

だが俺は、交際が順調な一方で憂鬱な気持ちも抱えていた。

俺とくるみがつき合っていることを知っているのは、今のところ赤石千夏だけ。

つまり未だにフリーだと思われているくるみは、モテまくって仕方ないのだ。

肩下まで伸びた髪を、時には毛先を軽く巻いたり、時にはポニーテールにしたりと、日替わりで可愛さが炸裂する。

今日の装いは、袖がホワンとしたブラウスにハイウエストのワイドパンツを合わせ、足元はショートブーツ。

髪は緩くアップでまとめて、サイドを少し残しているのだが、なんだあの絶妙な残し方は。
横顔が余計に可愛くなるではないか。

しかも耳元には、小さく揺れるイヤリング。

知ってるか?
男は揺れるものに目が行きやすいんだぞ。
知っててやってるのか? この小悪魔ちゃんめ。

ほら見ろ。
すれ違うヤローどもが、こぞってくるみを振り返っているではないか。

見るんじゃなーい!
俺の女だ!

そう叫びたい衝動をこらえ、俺はデスクで頭を抱える。

このままでは仕事に集中できない。

(もう限界だ)

俺は遂に心を決めた。
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