藤木部長にロックオン〜あの子のハートビームから逃げられない〜
船を下りると、俺は今日最後のスポットにくるみを連れて行った。

「ここは?」

建物の前で、くるみは不思議そうに首をかしげる。

「冬をテーマにしたプロジェクションマッピングで、世界の絶景を楽しめるんだ」
「そうなの? すてき!」
「早速入るか」
「うん」

広い部屋に足を踏み入れると広がる、世界有数の雪景色。

スーパーブルーと呼ばれる、透き通った青い氷の世界が広がるアイスランドの氷の洞窟。

サンタクロースの国、フィンランド。

ノルウェーのオーロラ。

スイスのマッターホルンの雪山。

日本からは、巨大な樹氷が立ち並ぶ青森県の八甲田山。
合掌造りの集落に雪が積もり、夜のライトアップでは幻想的な風景が浮かび上がる岐阜県の白川郷など。

「すごい……雪の中に迷い込んだみたい」

世界中の雪景色を楽しんだあとは、雪の結晶をクローズアップした映像も楽しむ。

あっという間に閉館時間となり、まだ映像の世界に浸ったままのくるみを促して、出口へと向かった。
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