藤木部長にロックオン〜あの子のハートビームから逃げられない〜
人生の主人公
「わあ、くるみ、おめでとう!」
クリスマスの翌日。
出社するなり、赤石千夏がくるみの左手の指輪を見つけて声を上げた。
「部長、やりましたね。おめでとうございます」
「ありがとう」
「あ、これってまだ内緒でしたっけ?」
「いや。部署のみんなには婚約をお知らせしようと思う」
こ、婚約ー!と、赤石千夏は両手を頬に当てて仰け反る。
「すっごい! 部署の口から、婚約って言葉が!」
「なんだよ。何がおかしい?」
「いや、だって。最初はあんなにくるみに振り回されてたのに。ずっと眉間にしわ寄せて、くるみのこと幻の珍獣みたいな目で見てましたよね?」
「ぶっ! 何を言う。俺は最初からくるみのことを、可愛いと……」
「思えなかったでしょ?」
まあ、完全否定はできない。
可愛い子だが、理解不能だったから。
「けど今は、100%可愛いからな。糖度高めで」
「はいはい。いやー、それにしてもすごいですね、藤木部長って。くるみが10年以上もどっぷりハマっていた2次元の世界から、颯爽と連れ出すとは。私、藤木部長のこと見直しました」
「そこ? そのポイントで見直すの?」
「そうですよ。どんなにかっこよくて仕事ができる人がアタックしても、ちっともなびかなった難攻不落のくるみを、たった数ヵ月で落とすなんて。だけど今思えば、やっぱりくるみの運命の人は『はると』さんって決まってたんでしょうね」
そう言われると、俺もしみじみする。
「とにかくおめでとう! くるみ。これからは漫画の温人じゃなく、くるみだけの遥斗さんを見つめて、幸せになるんだよ?」
「うん。ありがとう、千夏」
涙ぐむくるみの肩を、俺は優しく抱き寄せた。
クリスマスの翌日。
出社するなり、赤石千夏がくるみの左手の指輪を見つけて声を上げた。
「部長、やりましたね。おめでとうございます」
「ありがとう」
「あ、これってまだ内緒でしたっけ?」
「いや。部署のみんなには婚約をお知らせしようと思う」
こ、婚約ー!と、赤石千夏は両手を頬に当てて仰け反る。
「すっごい! 部署の口から、婚約って言葉が!」
「なんだよ。何がおかしい?」
「いや、だって。最初はあんなにくるみに振り回されてたのに。ずっと眉間にしわ寄せて、くるみのこと幻の珍獣みたいな目で見てましたよね?」
「ぶっ! 何を言う。俺は最初からくるみのことを、可愛いと……」
「思えなかったでしょ?」
まあ、完全否定はできない。
可愛い子だが、理解不能だったから。
「けど今は、100%可愛いからな。糖度高めで」
「はいはい。いやー、それにしてもすごいですね、藤木部長って。くるみが10年以上もどっぷりハマっていた2次元の世界から、颯爽と連れ出すとは。私、藤木部長のこと見直しました」
「そこ? そのポイントで見直すの?」
「そうですよ。どんなにかっこよくて仕事ができる人がアタックしても、ちっともなびかなった難攻不落のくるみを、たった数ヵ月で落とすなんて。だけど今思えば、やっぱりくるみの運命の人は『はると』さんって決まってたんでしょうね」
そう言われると、俺もしみじみする。
「とにかくおめでとう! くるみ。これからは漫画の温人じゃなく、くるみだけの遥斗さんを見つめて、幸せになるんだよ?」
「うん。ありがとう、千夏」
涙ぐむくるみの肩を、俺は優しく抱き寄せた。