藤木部長にロックオン〜あの子のハートビームから逃げられない〜
「なんだか娘を嫁に出す気分だわ」
1月末に社宅を引き払うことになり、くるみの荷物を週末に運び出していると、ムーンライトおばちゃんがしみじみと呟いた。
年末年始の休暇中に両家への挨拶を済ませ、俺とくるみは4月の結婚式を前に、今日から一緒に暮らし始める。
「結婚式も見届けたいわねぇ。だって陰ながら、片瀬さんと遥斗さんを見守ってきたんだもの。初めてのお姫様抱っこから、お部屋にお泊りも。この社宅、昔はお泊り禁止って決まりだったのよ。だけど私がルールを変えたの。ピュアな二人の恋は応援してあげたいものね。ああ、あなたたちの結婚式なら、さぞかしすてきでしょうねえ」
俺はくるりとおばちゃんを振り返り、笑顔を浮かべる。
「もちろん、ご招待させてください」
「えっ、いいの? 嬉しい! 必ず行くわ。あ、招待状はこの社宅の住所に送ってね。手渡しでもいいわよ。返事は書くけど、もちろん参加だから」
強い。
おばちゃんとは、人類最強の生き物なのか?
「わかりました、ぜひお越しください」
キリッと頷いてから、また荷物を運ぶ。
結局ムーンライトおばちゃんは、全ての荷物を運び出すまで、「いいわねぇ」「新婚さんかぁ」「ラブラブな毎日ね」「赤ちゃんはまだなの?」と、俺が何往復もする度にほうきを片手に話しかけてきた。
1月末に社宅を引き払うことになり、くるみの荷物を週末に運び出していると、ムーンライトおばちゃんがしみじみと呟いた。
年末年始の休暇中に両家への挨拶を済ませ、俺とくるみは4月の結婚式を前に、今日から一緒に暮らし始める。
「結婚式も見届けたいわねぇ。だって陰ながら、片瀬さんと遥斗さんを見守ってきたんだもの。初めてのお姫様抱っこから、お部屋にお泊りも。この社宅、昔はお泊り禁止って決まりだったのよ。だけど私がルールを変えたの。ピュアな二人の恋は応援してあげたいものね。ああ、あなたたちの結婚式なら、さぞかしすてきでしょうねえ」
俺はくるりとおばちゃんを振り返り、笑顔を浮かべる。
「もちろん、ご招待させてください」
「えっ、いいの? 嬉しい! 必ず行くわ。あ、招待状はこの社宅の住所に送ってね。手渡しでもいいわよ。返事は書くけど、もちろん参加だから」
強い。
おばちゃんとは、人類最強の生き物なのか?
「わかりました、ぜひお越しください」
キリッと頷いてから、また荷物を運ぶ。
結局ムーンライトおばちゃんは、全ての荷物を運び出すまで、「いいわねぇ」「新婚さんかぁ」「ラブラブな毎日ね」「赤ちゃんはまだなの?」と、俺が何往復もする度にほうきを片手に話しかけてきた。