裏切りの先で、あなたに出会った
「録画は……引っ越してきた日から、すべて残っています」




「……全部、ですか?」






「ええ。全部です」





静かに頷くと、彼の肩がわずかに震えた。






数秒の沈黙。




そのあと、私は画面を止めた。





「――ここまでにしておきましょう」





「……っ」




潤さんは視線を落とす。





現実を飲み込もうとしているのが、伝わってきた。




そして私は、もう一つの本題を切り出す。




「雨宮さん」





「……はい」





「今の会社、辞めるつもりですよね」




彼が驚いたように顔を上げる。





「なぜ……」




「調べました。かなり無理をされているみたいなので」





私は表情を変えずに続けた。





「うちの会社に来ませんか?」


「……え?」




「経理、できる方を探しているんです」




静かな提案。




けれど、逃げ場は与えない。



「環境は、今よりずっといいと思います」





彼はしばらく言葉を失い、やがて小さく呟いた。





「どうして……そこまで」









その問いに、私は一瞬だけ考える。





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