裏切りの先で、あなたに出会った
隣の家の方向から、確かに聞こえてくる。
 



「たっくん、もっとこっち来て?」
 




――たっくん?
 



その呼び方に、胸の奥がざわついた。
 




「しょうがないな」



小さく笑う声。
 




「優衣はほんと、寂しがりだな」
 




重なる笑い声。





近い。あまりにも、近い。
 




まるで――ここにいるみたいに。
 




「……まさか」





思わず、首を横に振る。
 




ありえない。





そんなはず、ない。
 





「琢馬は……」
 





呟いた、その瞬間。







ポケットの中でスマートフォンが震えた。
 





――着信:琢馬




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