裏切りの先で、あなたに出会った





「……もしもし?」







「お疲れ。今日ちょっと遅くなるわ」





いつも通りの声。




「仕事?」





「うん、トラブルでさ。先に寝てていいから」





軽く笑う気配。




「……そう」




短く返す。




その間も、壁の向こうから微かな音が続いている。




「どうした? 元気ない?」




「ううん、大丈夫」





少しだけ間を置く。




「……気をつけてね」




「ああ、ありがと」





通話が切れる。





静寂。






――そして。





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