裏切りの先で、あなたに出会った
呼吸を整え、慎重に動く。
窓の隙間、死角になる植え込みの影。
気づかれない場所に、ひとつ、またひとつと仕掛けていく。
「……リビングも……」
「……お風呂場……」
「……寝室……」
小さく呟きながら、機械的に手を動かす。
頭は冷えているのに、胸の奥だけが焼けるように熱い。
――どうして?
――いつから?
「……ねえ、たっくん」
不意に、さっきの声が頭の中で蘇る。
「……優衣」
ぎゅっと、唇を噛みしめた。
「……全部、暴いてあげる」
その一言だけが、静かに落ちた。
もう、後戻りはできなかった。