没落令嬢ですが偵察の一夜をきっかけに皇太子に溺愛されています
そう告げると、彼の腕が強く私を抱き寄せる。

甘く、優しい口づけ。

触れられるたびに、これまでの不安や迷いがほどけていく。

そのまま、二人で静かにベッドへと身を預けた。

「ああ……アルヴィオン様……」

名前を呼ぶと、さらに深く抱きしめられる。

重なる温もりは、これまでとは違っていた。

確かめ合うようで――離れないと誓い合うような、そんな夜。

「どこまでも一緒にいよう」

耳元で囁かれる言葉に、胸が震える。

「……私……もう、」

言葉にならない想いが、胸いっぱいに広がる。

「俺もだ。もう、止まらない」

その言葉に、すべてを委ねる。

やがて訪れた静かな頂の中で――私は、彼の優しい腕の中に包まれていた。
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