没落令嬢ですが偵察の一夜をきっかけに皇太子に溺愛されています
「ええ?」

思わず声が裏返った。

皇太子殿下の、侍女?一瞬、言葉の意味が理解できない。

(侍女って……何をするの?)

頭の中がぐるぐると回る。

身の回りの世話?

それとも、雑用ばかり押しつけられるのだろうか。

まさか――

(こき使われる……?)

そんな想像まで浮かんでしまう。

「どうした。不満か?」

静かな声に、はっと我に返る。

「い、いいえ。そんなことは……ありませんが」

慌てて首を振る。断る理由など、どこにもない。

むしろ――

(仕事が、見つかる)

それだけで、十分すぎるはずだ。

「安心しろ。給与は払う」

皇太子は、あっさりと言った。

「月五百ゴールドでどうだ」

「ご、五百!?」
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