愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる

「ちょっと外のガレージを片付けてくる」
「はい。いってらっしゃい」

 朝食の片付けが済んだ後、遼河さんは撮影の準備のため、庭へ出て行った。

 リビングに残された私もまだ時間に余裕があったため、念のため私の長い髪が落ちていないかのチェックを兼ねて、つるつるとした白い床にフローリングワイパーをかけることにする。

 リビングダイニングは五十畳もあるのですべてかけるのは大変そうに見えたが、平日の昼間に代行サービスが掃除しているので、基本的にほこりが少ない。

 結局、シートにもほとんど汚れが付かない状態であっという間に床掃除は終わってしまった。

「ちょっと休憩しよ……」

 ソファに腰を沈め、ストリーミング端末のリモコンでテレビの電源を入れた。

 様々な配信アプリが並んだホーム画面の上部は配信会社お勧めの動画が自動で流れてくる仕様だが、突然そこに遼河さんのアップが映し出される。

『氷室エクスプレス、隔週木曜配信。ぜひ、ご覧ください』

 まるでドラマの番宣をする人気俳優のように、慣れた調子でそう言った彼。

 そういえば、隔週で更新されているのに、私もたまにしかちゃんと見たことがなかったな……。

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