愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
想像以上に特別なオーラを纏う社長にますます緊張していると、彼はテーブルを挟んで対面の、ひとり掛けソファに座った。
秘書の新町さんは、彼の背後に立っている。
「会社説明会の資料に使うインタビューだったな。さっそく始めてもらおうか」
「は、はいっ。本日は貴重なお時間をいただきまして――」
「そういう前置きはいい。質問に移ってくれ」
ぴしゃりと言われ、心臓がギュッと縮こまった。
とはいえそっけない言い方をするのは、社長が忙しい人だからだろう。
一般社員にはわからない苦労もあるだろうし、彼の発言にいちいち動揺していたら、きっと身が持たない。
「失礼しました。それではさっそく」
気持ちを切り替え、レコーダーの録音ボタンを押す。それから手元の資料に従い、インタビューを始めた。
事前の資料に〝当日口頭で〟と書かれていたから、もう少し考えるための時間が必要だったり、言いよどんだりする時間もあるかと思ったけれど、社長の口調には一切の迷いがなかった。