愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
揺らぐ自信
自宅に広報部の小鹿さんや撮影スタッフがやってきたあの日から、遼河さんとの距離は一気に近くなった。
私の勘違いでなければ、彼がこれまで我慢していたものを解放した……という雰囲気に見える。
思えば、あの日は朝からキッチンで抱きしめられたり、彼の映る動画を見ていた時にキスを迫られそうになったりと、スキンシップが多かった。
最終的には実際にキスを交わしたけれど、一度や二度ではなく、タガが外れてしまったように何度も私の唇を求める彼は、これまでのクールな彼とは別人のようだった。
必要とされるのは嬉しいし、遼河さんに触れられるとドキドキして、胸がときめく。
……でも、確かな言葉がないままにキスやハグだけを求められていると、〝今はこれでいい〟と思っていたはずの私の中にも、徐々に不安な気持ちが膨らんできた。
彼が解放したものが、私に対する好意とか、親愛の情であれば、こんなに嬉しいことはない。
でも、もしかしたら……同じ家に女性がいるという状況で、男性的な欲求が抑えられなくなったというだけなのでは……? という疑念が、頭をもたげ始めたのだ。