愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「仲真さん、連休前の人事データの更新、俺の担当部署も代わりにやっといてくれない? これからデートなんだわ」
五月の大型連休を控えた金曜日。退社時刻が近づいていたタイミングで、同僚の勝瀬さんがデスクに近寄ってきて、そんな依頼をしてきた。
私は自分の担当する分の更新をとっくに終えていたので、なぜ今までやらなかったのか不思議でしかない。
他部署に迷惑をかけるのは避けたいし、三十分も残業すれば終わりそうな仕事なので、まぁいいかと承諾する。
「……わかりました」
「サンキュ。連休前でも浮かれてない同僚がいると助かるわ~」
調子のいいことを言ってさっさと帰り支度を始める勝瀬さん。そこに、同じく帰ろうとしていた高田さんが通りかかる。
「デートって聞こえたけどなに、あんた五連敗の後も懲りずにマチアプ続けてたの?」
「あったりまえじゃん。ちょい奥手っぽいけどかわいい子だから、二回はデートだけで我慢したんだけど、今日は勝負かける」
「結局目的はそれなのね……」
高田さんが苦笑交じりに呆れている。しかし、勝瀬さんの方はまったく恥じ入ることなく、むしろ堂々と胸を張って言った。
「当たり前だろ。男ってのは原始時代からずっと、本能で生きてる狩人なんだよ」
「はいはい。カッコいいねー」