愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
興味なさそうに棒読み口調で答える高田さんに対し、私はかすかに動揺するのを感じていた。
勝瀬さんの話なんて真に受けることはないと頭ではわかっているのに、性別が同じ男であるというだけで、彼の持論を遼河さんに当てはめて想像してしまう。
でも、いくら本能と言ったって、それだけで動くはずはない。勝瀬さんのような浅慮なタイプならまだしも、遼河さんは基本的に理性的な人だ。
そんな彼が、欲求を抑えられないなんて……やっぱり、大きな理由があるはずだよね。
期待……していいのかな。
パソコンに向かって押し付けられた作業を淡々と続けている途中、ふと、キーボードを叩く手を止める。
〝期待〟って……私、もしかして遼河さんに愛されたいと思ってる……?
ハッキリと自覚した瞬間、ギュッと胸が締め付けられた。
一緒にいられるだけでいい。キスの理由がわからなくてもいい。
そんな風に自分を騙していたけれど、本当は……彼との距離が近づくにつれ、遼河さんのかけがえのない人になりたいと思うようになっていたのだ。