愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる

 結婚前にふたりで食事をしたことはあったけれど、人目が気になるために家から出ないことの方が多いし、自宅撮影の日にひとりで出かける予定も結局は潰れてしまった。

 だから、遼河さんと一緒に遠出ができるなんて、なんだか夢のよう。

 思い切り楽しむためにも、目の前の仕事はきっちり終わらせておかないと。

 やる気を取り戻した私は再びパソコン画面に注目すると、入力の速度を上げた。


 翌日、私と遼河さんは朝早くに車で家を出た。

 出発した頃は少し曇っていた空も、段々と青空の割合が多くなり、とてもドライブ日和の一日になりそうだった。

「本当に静かなんですね、ユリシスって」

 助手席から、ハンドルを握る遼河さんに話しかける。高速道路に入って速度が上がっても、騒音や振動はほとんど増えていないので驚いたのだ。

 ちなみに、今日の彼は海辺の日差しで目を傷めないよう、レンズが薄いブルーのサングラスをかけている。

 似合う人を選びそうな個性的なデザインなのに、遼河さんにはとてもよく似合っていた。

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