愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
丘の上にあるヴィラは、二階建てだった。
一階にはリビングダイニングとキッチン、バストイレ、それに広々としたテラスがあり、二階にベッドルームとシアタールームがあった。
ここへ来る途中で買ってきたお酒やポップコーンをシアタールームに持ち込んで、ゆったりとしたソファにふたり並んで腰かける。
正面のスクリーンには映画のストリーミングサービスが繋がっており、リモコンひとつで多彩なジャンルの映画を楽しむことができるようだ。
「小雪はなにがいい?」
リモコンを操作しながら、遼河さんが私に尋ねる。
「ホラー以外ならなんでも」
「じゃ、ホラーにするか」
「ちょっと! 本当に苦手なので……っ」
目の前のスクリーンに、ホラー映画を検索する画面が映ったので、慌てて彼の手からリモコンを奪おうと手を伸ばす。
しかし、私の届かない場所に素早くリモコンを隠した彼は、私の頭に手を添えるとをそっと自分の方に引き寄せ、そのままするりと髪を撫でながら下に下ろした手で、ギュッと私の肩を抱いた。