愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
「ということは、これ……マリッジリングですよね? 遼河さんのはどちらに?」
「ああ、俺のはまだ箱の中に」
ズボンのポケットを探った彼が、リングケースを取り出す。私はそれを受け取ると、彼サイズの大きな指輪をそっと指で摘んだ。
「私がつけてあげますね」
「……じゃあ、頼む」
遼河さんは素直に手を出し、私が薬指にリングを嵌める。ちょっとした指輪交換の儀式のようで、胸がときめいた。
自分の指できらめくプラチナリングを眺め、遼河さんが満足げに笑う。
「やっぱり指輪をすると、夫婦って感じがするな。東京に帰るまでつけておくか」
「はい」
うれしくなって、つい弾んだ声で返事をしてしまった。
遼河さんはフッと笑みを漏らすと、子どもをあやすような手つきで私の頬を撫でる。
照れとくすぐったさにに肩をすくめた直後、甘やかな手つきで頬を彼の手が滑り、指先が顎に触れると同時に、くいっと持ち上げられた。
そのまま、触れるだけのキスに唇を塞がれる。